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【水遊び】初めて出会ったあの日のように
「なんだか懐かしいですね、凪さん」 「そうだね」 気温の特に高い今日、私は川で下着姿になって水遊びをする瑞葵ちゃんを撮影していました。もちろん了承済み・・・というか、山で野鳥を撮影した帰りに二人で歩いていたらこの川を通りかかり、瑞葵ちゃんの方から提案してきたのです。 「思い返せば、瑞葵ちゃんと出会ったのはもう9か月も前のことなんだね」 「ふふ、そうですね。色々な事がありましたね」 当時は恥ずかしがって、『写真を変な事に使わないようにして下さい』と言っていた瑞葵ちゃんが今や自分から・・・私のせいだよな、完全に。あの日強引に撮影を迫られて性癖目覚めたって言ってたもんなぁ。 「・・・瑞葵ちゃん、ちょっと待った。何か聞こえない?」 「えっ?」 耳を澄ますと、遠くから賑やかな話声が近づいてきます。中年~壮年の男女入り混じった声です。何だか分からないけれど、この川沿いを通るつもりなのかも。 「ど、どうしましょう!?見つかっちゃう・・・!」 瑞葵ちゃんの全身は水に濡れていて、素早く服を着るのは難しい状況です。かといってタオルで拭いてから服を着ている時間も無さそうだし。私が周囲を見回すと、撮影道具の入った私のカバンが目に留まりました。そうだ、これを使おう。 「瑞葵ちゃん、ちょっとこっちに来て!」 「はい!」 私は瑞葵ちゃんを呼び寄せると、河原の草の上に押し倒しました。 「な、凪さん!?」 「ごめん、ちょっとだけ我慢して!」 その後、カバンから『野鳥撮影中。ご協力お願いします』と書かれた表示板を取り出して近くに置き、葉っぱ柄のレジャーシートを広げて瑞葵ちゃんと私の上に被せます。これで傍目には、『川にやってくる鳥を撮影するために自分をカモフラージュした撮影者』がいるように見えるはずです。私が準備を整えてからさほど経たない内に川沿いの道に足音がやってきて、私の立てた表示板に気付いた様子です。 「あら、何かしらあれ」 「撮影中って書いてあるな。きっとあの下にカメラマンさんが隠れてんだよ」 「あら~、じゃあ静かにしないと鳥が逃げちゃうのね」 「邪魔にならんようにさっさと行こうや」 そんな会話をしつつ早足に通り過ぎていく足音。その間、瑞葵ちゃんを押し倒した格好のまま私はじっと息を殺していました。すぐ目の前には、私に伸し掛かられて恥ずかしそうな顔の瑞葵ちゃん。濡れた彼女の肌から、私の服に水気が移っていくのを肌で感じていました。そうして足音が完全に消えたあと、私はレジャーシートを少しだけめくって様子を確認し、大丈夫そうだと分かるとシートを取り除きます。 「ふぅ、危なかった」 「あ、ありがとうございます凪さん」 瑞葵ちゃんは草の上にぺたんと座った姿勢で私から目をそらしつつお礼を言ってくれました。私はそんな瑞葵ちゃんに「帰ろうか」と声を掛けてタオルを渡します。瑞葵ちゃんはそれで体を拭き、服を元通りに着るとようやく少し落ち着いたようです。 「凪さん、タオルありがとうございま・・・あ」 「?」 「凪さん、服が汚れてしまいましたね」 びしょ濡れの瑞葵ちゃんを押し倒したもんで、私の服はあちこちが濡れて染みになっていました。まあでもこの気温ならすぐに乾くでしょう。 「大丈夫、気にしなくていいよ」 「そ、そういう訳には行きません!お洗濯しますから、私の家に寄って行ってください!」 瑞葵ちゃんは力強く私の手を取ります。そこまでしてくれなくてもいいんだけどな。 「私もまだ下着濡れてますし、ついでですから。着替えはお父さんの服がありますし、お父さんはまだ仕事から帰らないので大丈夫ですよ」 うーん、中々決意が固そうだな。しょうがない、ついて行くか。 「分かった、行こうか」 「はい、あとは私のせいで凪さんを汚してしまったので、もちろん背中も流させてもらいますね」 ・・・え?背中を流す? 「ま、ま、待ちなさい瑞葵ちゃん!まさか一緒にお風呂入るつもりなの!?着替えだけでいいって!」 「ダメですよ、川の水ってそんなに綺麗な水じゃないじゃないですか。川遊びの後はちゃんと体を洗わないと」 「それはそうだけど!」 「ほら、また誰か来る前に行きましょう!」 そうして私は瑞葵ちゃんに腕を引かれ、鈴白家に連れて行かれてしまったのでした。 ※この後の展開はこちら(R-18注意・5/8 00:01公開予定) 【R-18】瑞葵ちゃんと洗いっこ https://www.aipictors.com/r/posts/590831