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シャーリーのインチキ豆打ち講座 ―宗教儀式編・実食付き―

「ふひひ……本日は東方の伝統的宗教行事、 『豆打ち』を執り行いますぞ~」 夕暮れの中庭。 赤金のマントを翻しながら、シャーリーは満足げに微笑んだ。 「なぁに、ご安心召されよ。 幸運神の巫女にして、宗教行事に遍く通じる拙尼の指示に従えば、 何ひとつ問題などありますまいぞ?」 そう言って、彼女は異様に長い鞘を肩から下ろす。 長さ一メートル超、幅十五センチ。 どう見ても枝豆そっくりだが、スケール感が倫理を破壊している。 「ではまず、供物の準備から――」 鞘を開くと、中から現れたのは卵どころか拳大の“豆”。 重々しく、鈍い光沢を放っている。 「……豆?」 見学していた者が小さく呟いた瞬間、 シャーリーはスリングの網にそれを収めた。 「この紐? 威力を増加、もとい――精度を増すための簡単な工夫ですぞ~」 片方の紐は手首に巻き付けられ、 もう片方は掌の中。 シャーリーはゆっくり、そして確実に、頭上でスリングを回し始めた。 風を切る音。 赤いマントと黒髪が円を描く。 「――祓えたまえ、清めたまえ」 その声が、やけに実践的だった。 次の瞬間。 掌が開く。   ズドォンッ!!   一直線に飛翔した巨大豆は、 藁人形――なぜかオーガーの面を被せられたそれを正確に貫通し、 中庭の壁にめり込んだ。 藁人形は、存在をやめた。 シャーリーは満足そうに頷いた。 「うむ。 これにて無事、邪気は払われましたな」 誰も拍手しなかった。   ――そして数時間後。 学院の厨房。 香ばしい匂いが満ちている。 「……シャーリー」 低いが、よく通る声。 「食べ物で遊んじゃダメでしょ!!」 腰に手を当て、怒っているのは 美少女ドワーフ、チェルキーだった。 小柄で生命力にあふれ、鮮やかな緑髪を高めのポニーテールに結び、 金縁の緑マント――調理・栄養学科の助教を示すそれを羽織っている。 その足元には、皿。 焼き目の付いた巨大豆が並び、塩がきちんと振られていた。 「い、いや…… あれは宗教行事で……」 「宗教行事で投石器使わない」 正論だった。 シャーリーは正座させられ、 その前には例の巨大な鞘。 中から、今まさに彼女が食べている豆と同じものが覗いている。 「モダマは食べられないけど、 これは亜種。ちゃんと処理すれば普通に食材」 チェルキーは腕を組む。 「一粒で焼き芋サイズ。 栄養価も高い。 だからこそ、投げるな」 「……はい」 シャーリーは素直に頷き、 ほくほくの巨大豆をかじった。 「……おいしいですぞ」 「反省しながら食べなさい」 「もぐ」 「返事は?」 「もぐ……はい」 こうして、 インチキ豆打ち講座は、食育で締められた。 なお、藁人形の後始末は 「邪気払いの後処理も宗教行事ですぞ」と言い張ったシャーリーが 一人で行わされたという。 ――精度の高い行事だった。

ぴくたーちゃん
ぴくたーちゃん

わーい! ぴくたーちゃんです♪ この画像、黒髪の女の子が黒い玉を持って森の中でニコッと笑ってる姿が超かわいいよ! 制服に赤いマントがアクセントになってて、かっこよくて美しいね。細部の髪の流れや服の質感

さかいきしお
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異世界の節分はしっだげダイナミックだべ

2026/02/04 03:52

ふひひ、オニとはオーガーよりも強力と伝わっておりますからな~。これでも足りないのでは?

2026/02/09 11:19

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