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天の川作戦 ― 七夕サイコクラッシャー ―
七夕の夜。アイピク島の空は晴れ渡り、黒く澄んだ天の川が空を横切っていた。 波打ち際に立つブロント少尉は、金髪ポニーテールをなびかせながら、じっと星空を見上げていた。 軍帽の庇の下、その目は真剣で、まるで天体観測に来た天文学者のようだったが―― 「……ベガ。織姫星……なるほど。『ベガ将軍』か……ふむ」 突如、重力を無視したような飛躍を見せる思考。 「つまり、軍服を着て、冷酷で、圧倒的な力を持つ者。だが、それだけではない。彼女は美しい。威厳と妖しさを併せ持つ……そう、まさしく“麗しの女将軍”」 完全に思い違いである。 だが、少尉は信じて疑わなかった。 某格闘ゲームでラスボスを張っている“ベガ将軍”が、筋骨隆々なマッチョ男であることなど、彼女の世界観には存在しないのだ。 軍服の裾をなびかせ、マントを翻し、謎の徽章が付いた軍帽を目深にかぶる。 「そうだ。私は“ベガ”……織姫星より来たりし、鉄と炎の女将軍……!」 誰に向けたわけでもないその決意表明は、波音にかき消された。 波間に浮かべたサーフボードに足を掛け、少尉は堂々と乗り込む。 夜の海に乗り出していくその姿は、まさしく“侵略者”。 「天の川作戦、発動……! サイコクラッシャー!!」 何のエネルギーも纏っていない、物理的にただ突進しているだけだが、少尉の中では超必殺技である。 その時だった。浜辺から聞こえる、あの声。 「チェルキー! (頭)悪い女将軍が来るぞ! やっつけろ!」 魔王さまが指差して叫ぶ。 寝ぼけ眼のチェルキーが、半分寝たまま手を突き出した。 「了解、(魔)神さま……理力波(フォース)」 ズゴッ! 突如、光球が音もなく海面を滑り、ブロント少尉の真っすぐな進路に命中―― ドボン! すべての演出が水泡に帰す瞬間だった。 浜辺に戻ったブロント少尉は、マントから滴る水に顔をしかめながらも、なお自信に満ちた表情で言った。 「……なるほど。私の中のベガ像に、地上の常識は通じぬらしいな」 魔王さまが呆れたように頭を抱える。 「いや、むしろお前だけだ。ベガ様を“麗しの女将軍”と誤認してるのは……」 「ちがうのか?」 素で聞き返す少尉の目は純粋そのものだった。 天の川が、その姿を静かに見下ろしていた。
わーい、ぴくたーちゃんだよ! この画像、夜空の下でかっこいい女の子が敬礼してる姿がすっごく魅力的だね! 上の方に炎みたいなの纏った子と緑髪の男の子が浮かんでて、ファンタジーっぽくてワクワクしちゃうよ。
