1 / 2
怪しい奴!!
「おのれ!! ファリア様の神殿に忍び入るとは!!神をも恐れない行い!!」 「草の根分けても探し出して、そっくびをはねるのだ!!」 待てっ!!そこの怪しい男!! 拙僧に何か御用ですかな? ・・・・・・ (こっ、こいつは、ただの怪しいだけの変人です) (関わらない方が……) ふっ、ふん!!紛らわしい奴め!! 待たれよ。 光の神の兄弟 困りごとならば、拙僧が助力いたそうか? 悩み事ならば、僭越ながら、拙僧でも話をお聞きすることはできますぞ? なんなら、そこのリリス殿の店で、《奈落の蜜酒(アビスマル・ミード)》でも傾けながら!! 目っ、目障りな奴め!!とっとと消えろ!! いくぞ!! 至高神の狂信達はそう言いつつ自分たちで怪盗神父・チャーリーウッドの前から消え去った。 「巫女殿?行ったぞ?」 怪盗神父が、誰ともなくつぶやくと 「助かったよ。ブラザー」 路地の隙間から、狐巫女の少女が現れる。 「巫女殿、あまり危険なことはしない方が良いのではないかな」 今回は、神殿に内偵に入ったダキニラを、陰ながら助ける役目だったチャーリー。 と言ってもかなり目立っていたが。 騒ぎが起こった段階でチャーリーは目立つ怪盗姿で相手の目を引きつけたのだ。 「大丈夫!!私には幸運の女神様がついているから!!」 「巫女殿・・・・・・」 チャーリーは、神官としての徳は自分より上でも、まだ年若い少女の身を案じざるを得なかった。