【呪い】縁切神社跡
森の中にひっそりと残る、朽ち果てた木造の小さな建物。既に詣でる人間も無く、誰からも忘れられたその社。 この社はその昔、縁切りの御利益がある神社とされていた。特に『男女関係の縁切り』に定評があった。 ・・・今から27年前、ここを見つけた一人の少年がいた。少年はまだ6歳であった。 彼はここが神社跡とは知らず、ここを秘密基地にして遊んでいたが、ある日不意の尿意をもよおした。 我慢できずに彼は社の壁に立ち小便をしてしまう。ひどく罰当たりな行いであった。 いくら社が荒れ果て、詣でる人間も久しく無いとは言え、神社だった事実は消えない。 神は怒り、彼を呪った。神の呪いともなれば、祟りと表現してもよいだろう。 この神社の御利益は『異性との縁切り』であるため、その祟りは逆に作用する事となった。 かくしてこの少年は知らずの内に祟られ、『異性との縁が次々増え、しかも簡単には切れない』運命を背負わされた。 風の噂によれば、現在その少年はカメラマンとして名を馳せているらしい。