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精霊王の主
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「精霊王、地水火風の精霊の上位存在」 シルビアは図書室のテーブルで言葉を漏らした。 「その力は強大であり支配することは難しい・・・・・・」 精霊について書かれた書物らしい。 精霊王の説明と何やら古めかしい絵面で、精霊王をイメージしたらしい絵が添えられている。 「ひとたび荒れ狂えば人の国一つをたやすく滅ぼす」 シルビアは優れた魔術師だ。 本来ならば精霊使いの領域である魔法も扱える。 「サプレスエレメンタル(四大制圧)も効果なし」 四大制圧、地水火風の精霊力を阻害する魔法だ。 それをもってしても、精霊王に対しては無力だ。 「ベヒモス、クラーケン、イフリート、ジン」 シルビアはページをめくり、それぞれの精霊王の名前を読み上げる。 「精霊王を従える精霊使いは、まさに人の王を越えた存在になるであろう・・・・・・」 そこまで読んで、シルビアは本を閉じる。 「そんな精霊使いがその辺歩いていたら、この国なんてとっくに滅びているわね?」