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蒼穹のフロンティア外伝【契約の果てに、桜はまだ散らない】
夜桜が舞う街に、ひとりの傭兵が立っていた――レイア・グレイバー。(シャドウフェイス) 誰のためでもない。 正義でも、理想でもない。 ただ“契約”に従い、戦場を渡り歩く女。 その黒いスーツには、数え切れない戦いの痕が刻まれている。 手にしたヘルメットの奥にあるのは、名も無き任務と、終わらない戦いの日々。 依頼主は問わない。敵も選ばない。 それが傭兵としての彼女の流儀――のはずだった。 だが今夜、舞い散る桜の中で、彼女の足は一瞬だけ止まる。 記憶の奥に残る、守れなかった誰かの面影がよぎったからだ。 「……仕事だ」 小さく呟き、感情を切り捨てる。 再び仮面をかぶり、戦うための存在へと戻る。 夜桜の下、契約の銃はまだ沈黙しない。 それが彼女の、生きる理由だから――。
