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思い出すたび、雨の街/スマホ壁紙アーカイブ
【思い出すたび、雨の街】 旅の写真を整理していると、 あの街には晴れた日もあったと気づく。 塔の上には青空があり、 昼の石畳には濃い影が落ちていた。 けれど覚えているのは、 透明な傘を買った夕方ばかりだ。 朱い灯りが水たまりに揺れ、 隣を歩くあなたが歩幅を緩めた。 「滑るから」 そう言って差し出された手を、 私は袖の中の指でそっと握った。 写真はそこで途切れている。 両手がふさがっていたからだ。 晴れた日の写真を一枚閉じ、 何も写っていない夕方を思い浮かべる。 傘を叩く音と、 少し湿ったあなたの手。 あの坂は今も、 記憶の中で濡れている。

