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路地の向こうに夏の雲/スマホ壁紙アーカイブ
【路地の向こうに夏の雲】 自転車を壁に預けると、 青い扉の奥で食器の触れ合う音がした。 声をかける前に、 二階の窓が開いた。 「ずいぶん遠回りしたね」 見上げた先から、 濡れた手ぬぐいが落ちてきた。 首に当てると、 井戸水の冷たさがした。 十年ぶりなのに、 自転車を置く場所まで昔のままだった。 路地の向こうでは、 山の上に白い雲が膨らんでいる。 あれが屋根に隠れるまでには帰ろうと、 子どもの頃はいつも思っていた。 扉が内側から開き、 冷やした西瓜の皿が差し出された。 私は腕時計を外し、 窓の下の長椅子に腰を下ろした。
