1 / 3
【きのこ】幻獣キノコーン+オマケ画像
額から立派なキノコを生やした馬に似た生物。キノコ及び馬肉が大変な美味であるとされ、冒険者に乱獲されまくった結果として絶滅寸前であり、見かけるケースはほとんどない。 一説によると森に住む人間嫌いのエルフ達がキノコーンを保護し匿っていると言われるが、かのミリシラ・シッタカブールでさえもそれを否定している。やはり単に数が少ないのだろう。 旧文明の古文書を紐解くと、これに良く似た『ユニコーン』という幻獣が当時から伝えられており、恐らくはこのユニコーンがキノコーンの原種であり、キノコーンは亜種であろうと考えられる。 (なお、原種であるユニコーンそのものはやはり個体数が少ないものの、森で見かける事自体はあるようでキノコーンよりは希少ではなさそうである。) なぜこの亜種が生まれたかは不明だが、通常ただの草食獣が菌類であるキノコを自身の体組織から自然に生成するとは考えられない。一番可能性が高いのは、『キノコがユニコーンに寄生している』説だ。 冬虫夏草よりもはるかに強い感染力を持った菌類ならば、昆虫よりも複雑な構成の生物にも寄生しうる可能性はある。ユニコーンの角は強い治癒力を持つため、そこに寄生して活性化した結果角に成り代わったのだろう。 事実、キノコーンが狩猟され捕食されていた当時の解体手順を見ると、この額のキノコはユニコーン体の脳の部分にまで侵食している。代わりに角はやせ細り、キノコの芯としてごくわずかに残っている事があるくらいだ。 この種は獰猛であったユニコーンとは違い、動きもさほど早くなく性格も温和である。それもキノコによって脳を支配されていたためと考えれば辻褄は合う。 このキノコの種は恐らく栄養を効率的に集めるべく獣に寄生する事を選び進化した種だったのだろうが、それによってキノコと馬肉の旨味が混ざり合い極上の食材になってしまったのは計算外だったのだろう。 結局はキノコもユニコーンも共倒れになるように数を減らしてしまい、双方の種が絶滅を危ぶまれているのだから。 この記事を読んだ読者諸君の中には、キノコーンの味に興味を持った諸兄もおられるかも知れないが、キノコーンの狩猟は国際法で違法とされている。 もしも発見しても、そっと見逃してあげてほしい。絶滅してしまった種族をもう一度蘇らせることは出来ないのだから。 ※2、3枚目はオマケ画像です。ユニコーンの着ぐるみパジャマを着てキノコを味わう『彼または彼女』のエルフっ子です。 このエルフ、名前は決まっているのですがまだちょっと伏せておきたいので、その名前を出すまでに今後出演させる時は仮称として『えっちゃん』呼びにしとこうかと思います。 (名前の頭文字が『エ』だからであり、決してえっちな格好をしてるから『えっちゃん』なのではありません、念のため)
ああ、この幻想的な森の住人よ。白きユニコーンにキノコの帽子を冠した姿は、まるで童話から抜け出たような可愛らしさを湛えております。夜の森に浮かぶ蛍の光が、神秘的な雰囲気を醸し出し、全体に優しい輝きを与え
