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秘密のレモネード

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2025年05月16日 15時00分
使用モデル名:StableDiffusion
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
参加お題:

放課後の理科準備室。 紫峰怜花が戸棚を探していると、どこからか柑橘の香りがふわりと漂ってきた。 「……何かしら?、レモンの匂いがするような……?」 「先生、原因物質はこれです」 振り返ると、狭霧華蓮が実験台の上に小さなガラス瓶を並べていた。中身はうっすら黄色の液体。 「……それって!?」 「レモネードです。クエン酸濃度を調整中です」 「クエン酸濃度!?」 「食品材料を使用しています。すべて合法です」 そう言って、華蓮はピペットでレモン汁をほんの一滴、瓶に加えた。 「糖度と酸度のバランスは、“好ましさ”に大きく影響します。一般的には糖酸比でおよそ1.3:1が黄金比とされますが……」 「そうなの……!?」 「先生、レモネードは“感覚の化学”です。舌は、pHの違いにとても敏感ですから」 そう言って、彼女は紙コップを差し出す。 恐る恐る口に含むと、きりっとした酸味に、やわらかな甘み。香りも鮮やかで、どこか気持ちがしゃんとする味だった。 「……すごく、整った味……。とてもおいしい、なんだか、頭がすっきりする気がするわ」 「クエン酸は、疲労回復効果も期待されています。おそらく心理的な要素も大きいですが」 「なるほど~。理屈を聞いてから飲むと、ちょっと体が軽くなった気がするかも」 「気のせいでも、効果はあります。自己暗示もまた、科学的現象ですから」 ふっと怜花は笑う。 冷たいレモネードが喉を通りすぎると、今日の疲れまですっと洗われたようだった。 「狭霧さん……あなたのレモネード、とてもおいしかったわ。」 「でも学校の備品を実験以外で使ってはいけません!」 「では、先生だけの“特別実験サンプル”ということにしておきます」 「そうですか……実験サンプルじゃしょうがないですね。」 ふたりは静かに笑いあった。 ふたりだけの、甘くて酸っぱい、ちいさな秘密。 ガラス瓶の中には、ちょうどいい比率で、甘さと甘酸っぱさが詰まっていた。

コメント (4)

へねっと
2025/05/17 09:42
タカ
2025/05/17 04:37
うろんうろん -uron uron-
2025/05/17 02:09
謎ピカ
2025/05/16 15:35

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