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日傘
シェードリアと伝説の宝 シェードリア: 天然でわがままなエルフの女戦士。日焼けを気にする美意識高い系。 ドゥリン: 皮肉屋で現実的なドワーフ。シェードリアとは仲が悪いが、冒険のパートナー。 伝説の洞窟「ドラゴンのまなざし」に眠る宝を求め、エルフの女戦士シェードリアとドワーフのドゥリンは険しい山脈を越え、洞窟の入り口にたどり着いた。 「ここが伝説の洞窟か。ドラゴンの目に光がさした時だけ道が開くって話だな」ドゥリンが腕を組みながら言った。 「そうなのよ。ドラゴンの目は宝石でできていて、太陽の光が特定の角度で当たると反射して道が開くの。ロマンチックだと思わない?」シェードリアが目を輝かせた。 「ロマンチック?お前、冒険に来て何だその発想。早く光がさすのを待とうぜ」ドゥリンが呆れた。 二人は洞窟の前で待機し、正午の太陽を待った。やがて、太陽光がドラゴンの目――巨大なルビー――に当たり、赤い光が洞窟の奥へと伸びた。 「道が開いたわ!行きましょう!」シェードリアが飛び跳ねた。 洞窟に入ると、最初のトラップが待ち受けていた。床に仕掛けられた落とし穴だ。 「気をつけろ、シェードリア。落とし穴があるぞ」ドゥリンが警告した。 「大丈夫よ、恋と一緒だわ。落ちる時は落ちるもの」シェードリアが軽やかに言った。 「冗談、顔だけにしろよ」ドゥリンが即座に突っ込んだ。 シェードリアは優雅に飛び越えようとしたが、足を滑らせて落ちそうに。ドゥリンが慌てて手を掴み、引き上げた。 「おい、無茶するな!死ぬぞ!」ドゥリンが怒鳴った。 「ありがとう、ドゥリン。でも、私の美貌を守るためなら多少の危険は仕方ないわ」シェードリアが微笑んだ。 「美貌より命だろが」ドゥリンがため息をついた。 さらに進むと、矢が飛んでくる罠が現れた。壁のスイッチを押すと矢が発射される仕組みだ。 「厄介だな。どうやって通り抜けるか」ドゥリンが考え込んだ。 「私が囮になるわ。あなたはスイッチを押して」シェードリアが提案した。 「お前、囮って言っても矢に当たったら終わりだぞ」ドゥリンが心配そうに言った。 「大丈夫、私の反射神経を信じて」シェードリアが自信満々に言った。 ドゥリンが渋々スイッチを押すと、矢が飛んできた。シェードリアは華麗に身をかわし、難なく避けた。 「さすがエルフだな」ドゥリンが感心した。 「でしょ?美と技は表裏一体よ」シェードリアが得意げに言った。 次に迷路のような通路に迷い込んだ。壁には古代の文字が刻まれている。 「この文字、読めるか?」ドゥリンが尋ねた。 「エルフの古代語ね。『真実の道は光を求める者に開かれる』よ」シェードリアが解読した。 「光を求める者?どういう意味だ?」ドゥリンが首をかしげた。 「太陽の光が差す方向に進めばいいんじゃないかしら」シェードリアが推測した。 二人は光を頼りに進むと、原住民族の集落に遭遇。彼らは洞窟を守る部族だ。 「誰だ、お前たち!」部族の戦士が槍を向けた。 「私たちは宝を求めているの。邪魔しないで」シェードリアが堂々と言った。 「宝は我々の神聖なものだ。渡すわけにはいかない」戦士が厳しく言った。 「じゃあ、代わりにこの素敵な日傘をあげるわ!」シェードリアが自分の日傘を取り出した。 「そんなものいらない。我々の宝を守る」戦士が拒否した。 「シェードリア、お前の日傘は誰も欲しがらないぞ」ドゥリンが突っ込んだ。 「失礼ね!これはエルフの最高級品よ」シェードリアがむくれた。 「交渉は無理そうだな。戦うしかねえか」ドゥリンが斧を構えた。 戦闘が始まった。シェードリアは弓で援護し、ドゥリンは斧で戦士をなぎ倒した。部族は勇敢だったが、二人の連携には敵わなかった。 「疲れたぜ」ドゥリンが息を切らした。 「でも、これで宝に近づいたわ」シェードリアが微笑んだ。 最深部に到着すると、輝く台座に宝が置かれていた。 「これが伝説の宝ね」シェードリアが目を輝かせた。 「早く手に入れよう」ドゥリンが急かした。 シェードリアが宝に手を伸ばすと、地面が揺れ、巨大なゴーレムが現れた。 「侵入者め、宝を守る!」ゴーレムが咆哮した。 「まずい、モンスターだ!」ドゥリンが叫んだ。 「硬くて倒せないわ!」シェードリアが弓を放つが、矢は弾かれた。 「頭を使え!弱点を見つけるんだ」ドゥリンが言った。 「弱点?恋と一緒だわ。心を開けば倒せるかも!」シェードリアがゴーレムに抱きついた。 「何!?」ドゥリンが驚いた。 ゴーレムが困惑し動きが止まる。その隙に、ドゥリンが斧で核を破壊した。 「やったわ!」シェードリアが喜んだ。 「無茶苦茶だが、結果オーライだな」ドゥリンが苦笑した。 宝を手に入れた二人は洞窟を後にした。外に出ると、シェードリアが宝を開いた。 「それは何だ?」ドゥリンが尋ねた。 「伝説の日傘よ」シェードリアが誇らしげに言った。 「なんだって」ドゥリンが呆れた。 「これで日焼け対策もバッチリよ!紫外線を99.9%カットするの」シェードリアが説明した。 「それはもう買うしかないね!」ドゥリンが通販番組風に言った。 二人は笑い合い、冒険の成功を喜んだ。 太陽は空の王座に君臨し、その光は大地を黄金色に染めます。雲は天の羊の群れのように漂い、風は自然の息吹を運びます。シェードリアは伝説の日傘を手に、優雅に歩を進めます。その姿は、まさに森の女王のようです。ドゥリンは隣で苦笑いを浮かべつつも、冒険の成功を喜んでいます。かくして、二人の冒険は終わりを告げましたが、彼らの物語はまだ始まったばかりです。 注記: この物語はフィクションであり、登場する人物や出来事は架空のものです。