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【怪盗】怪盗ロールパン二世
美術品や宝飾品をターゲットにして盗み出し、闇ルートで売りさばいている悪人。義賊とかじゃなく普通に悪い人。 普段は父親の経営するベーカリーの看板娘で、未婚という事もあって男性人気は高い。彼女目当てにベーカリーに通い詰めるリピーターも存在する。 ちなみにそのリピーターの中に警備員の仕事をしている男がおり、彼はかつて仕事中に遭遇したロールパン二世をタックルで押し倒し、一度は捕らえたが結局取り逃がした。 その時の彼の証言がこちら。 「タックルで転ばせ、体に腕を回した時に女性だと気付きました。女性特有の柔らかい体臭がしたからです。それと、焼きたてのパンのような匂いも感じました。その意外な匂いにうっかり油断したところにスタンガンを受けて、取り逃がしてしまいました。申し訳ありませんでした」 実際のところはその二種類の良い匂いだけが油断の原因ではなく、タックルした時に思い切り鷲掴みにした彼女の二つのロールパン(意味深)の柔らかさにうっとりしてついつい揉みしだいていたところにスタンガンを喰らったというのが正しい。そしてこの男、ロールパン二世と看板娘が同一人物だとは全く思い至っていないのであった。 ちなみに『二世』とある事から分かるように、彼女の父親が初代怪盗ロールパンである。ただし娘と違って怪盗の才能は無い男だった。 名前の由来は、当時の彼が『怪盗』というイメージからはおよそかけはなれた『パン泥棒』であり、学校に忍び込んで給食のパンを盗んだりしていた。一時期は羊を盗む『羊泥棒(シープシーフ)』と名乗ってもいたが、結局動物を売りさばくルートを用意できず失敗。彼の盗み行為はリスクの割に『パンのただ食い』というくらいのリターンしか無かったために結婚というライフステージの変化を機に、初代怪盗ロールパンは姿を消した。