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瑞葵ちゃんはつよい

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2024年10月31日 15時00分
使用モデル名:ProfiteroleMix
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
デイリー入賞 82
参加お題:

紅葉舞う夜の公園を撮影した帰りでした。後ろから突然視界を手で塞がれたのです。 「凪さん、こんばんは。私は誰でしょう?」 最近後ろから来られる事が多いなあ。この手の感触からして、間違いない。 「幽魅だね」 手をほどいて振り向くと、黒いフリルドレスの銀髪少女が立っています。 「はずれですー。瑞葵でした」 ケタケタと笑う彼女でしたが、私は断固として告げます。 「いや幽魅だね。手に脈と体温が無くて気温と同じ温度だったし、目の色が違うし、髪型も片目は隠れてるしツーサイドアップにしてないし、笑い方も声も違う」 「おいおいおい大分言うじゃんかよ凪くん!瑞葵ちゃんガチ勢め!」 幽魅が早速本性を現しました。ていうか、ついに他人に化ける技まで使い始めたか。 「確かにうろ覚えの変身だけどさぁ、結構上手くない?」 瑞葵ちゃんに化けた自分の体を見下ろしながら幽魅がぼやきます。 「見た目は結構近く出来てるかもね。でも声がさ、違うんだよね。瑞葵ちゃんのは心をくすぐる春風のようなきらきらした声で、幽魅は涼やかな秋晴れのような元気を湧きあがらせる声だから」 「急にポエミー早渚出すね!?」 誰、ポエミー早渚って。 「あ・・・あの、凪さん」 「あと瑞葵ちゃんの笑い方は『ケタケタ』じゃなくて『ふふ』だから。ちょっとはにかんだ照れ笑いが可愛いところなんだからそこ間違えるのはダメだよ」 「凪さーん・・・」 「へい凪くん、後ろ後ろ」 ん?後ろ?幽魅に背を向けると、そこには本物の瑞葵ちゃんが。 「うわびっくりした!瑞葵ちゃん、なんでここに?」 「ちょっとコンビニに行った帰り道ですよ?」 言われてみればこの公園は瑞葵ちゃんの家とかなり近いな。 「凪さんはお仕事帰りですね・・・もしかして、幽魅さんと話してたんですか?」 「あ、ああ。そうだよ。幽魅が瑞葵ちゃんの姿に化けててさ、私を騙そうとしたんだけど見破られたところだよ」 「お、オバケさんだからそんな事も出来るんですね・・・そこにいらっしゃるんですか?」 瑞葵ちゃんが私の後ろの空間を覗き込みます。やっぱり見えないんだな。 「いるよ。幽魅、何か存在アピールできる?」 「んー?あ、あれがいいな。おりゃー」 幽魅は近くの地面に積もっていた紅葉を両手で投げ上げました。ひらひらと葉っぱが舞います。 「わ、本当にいらっしゃるんですね。こんばんは、鈴白瑞葵です」 瑞葵ちゃんがぺこりとお辞儀をします。幽魅は笑顔で手を振って返しましたが、瑞葵ちゃんには見えないんだよな・・・。 「あ、そうだ幽魅。この機会にしっかり瑞葵ちゃんを見てごらん、幽魅が化けた姿より可愛いから」 「にゃにおー!?って言いたいけど、確かに美少女すぎる・・・」 幽魅が瑞葵ちゃんを間近で無遠慮に観察します。ぐうの音も出ないほど敗北感を感じているようです。 「よし瑞葵ちゃん、とどめだ。にこっと笑って『凪さん、大好きです』って言ってみて」 「えっ、あ、はい。・・・凪さん、大好きですよ♥」 きらきらの光が見えるくらい、すごくいい笑顔です。 「ぎゃあー!可愛さに浄化されるぅー!」 間近でその可愛さを喰らった幽魅はのけ反り、化けた姿を保てなくなって溶けた蝋人形みたいになりました。 「はい瑞葵ちゃんの勝ちー」 「え、ええ?何が起きたんですか・・・というか、何で私、急に愛の告白させられちゃったんですか!?」 「えっ、あっ、そ、そうだね?えーと、なんか、その。そのセリフ言う時が一番可愛い幸せな笑顔見せてくれそうかなって、なんか直感がしたんだけど」 しまった、よく考えたら私は何を言わせているんだ。今更ながら私も動揺してしまいます。 「も、もう!凪さんひどいです!罰として、凪さんも私に愛をささやいてください!・・・あっ、う、嘘でもいいので」 「えっ、ええ?」 今、この場で?き、緊張するな・・・。い、いや、嘘でもいいって言ってくれたし、ただそういうセリフを言うだけだから・・・! 「んん・・・じゃ、じゃあ、言うよ?・・・愛してるよ、瑞葵ちゃん」 「は・・・はわぁ・・・」 瑞葵ちゃんは真っ赤になって私とまともに目も合わせられない様子です。そういう反応されるとこっちも恥ずかしいんですが。 「よ、よし!セリフ言ったよ、これで許してくれる?」 「あ、は、はい。・・・ふふっ」 瑞葵ちゃんは嬉しそうに笑うと、ポケットから何か機械を取り出しました。あれは・・・ボイスレコーダー!? 「み、瑞葵ちゃん、それは・・・」 「防犯グッズのひとつとして持ってるボイスレコーダーです。あれれー、いつの間にか録音ボタンが押されちゃってましたー」 瑞葵ちゃんがわざとらしく言いながら再生ボタンを押すと、私の声が流れます。 『愛してるよ、瑞葵ちゃん』 「わー!こ、こら瑞葵ちゃん!それ渡しなさい!」 「やー、やーです!私の宝物にするんですー!」 ボイスレコーダーを胸に抱えて逃げる瑞葵ちゃんを追いかけて、肩に腕を回すようにして捕まえました。あ、瑞葵ちゃんの髪からカモミールのいい匂いがする・・・じゃなくて! 「ほら、瑞葵ちゃん!音声消して!」 「うー!な、凪さんばっかりずるいです!凪さんだって私の恥ずかしい写真をいっぱい撮って消してないですよね!?私も凪さんの恥ずかしいセリフくらい欲しいですー!」 私の拘束から逃れようとじたばたしながら瑞葵ちゃんが反論してきます。やっぱり力強いなこの子! 「ここでそれ引き合いに出すのはズルくない!?・・・わ、分かったよ、でもその音声、他の誰かに聞かせたり、変な事に使っちゃダメだからね?」 瑞葵ちゃんを抱きしめていた腕をほどいて、解放してあげました。 「ふふっ、そんな事言うなんて、まるで凪さんの方が女の子みたいですね?・・・またナギちゃんになっちゃいますか?」 「ならないよ!もう、イジワルだな瑞葵ちゃんは」 瑞葵ちゃんはご機嫌にステップを踏んで私から距離をとると、こちらを振り返っていい笑顔で笑いました。 「ふふっ、今日はいいお土産もらっちゃいました。凪さん、おやすみなさい」 「・・・うん、おやすみ」 瑞葵ちゃんが上機嫌で帰っていきます。私は高鳴った鼓動を落ち着けると、幽魅のところに戻りました。 「・・・何してるの、幽魅」 幽魅・・・だよな?何かピンク色のはぐれメタルみたいなこの物体。 「バカップルの甘いやり取りを間近で聞いて溶けたんだよぉ~。砂糖吐きそうだ~・・・。もうちょっと元通りに戻れなさそうだから、凪くんは帰っていいよ~」 うごめく粘液と化した幽魅はそう言うので、私は幽魅におやすみの挨拶をして家路につきました。しかし、バカップルなんてあの公園に来てたかな・・・?気付かなかったけど、私と瑞葵ちゃんのやり取りを見られていたのかもと思うと恥ずかしいです。 「・・・今日はすっかり瑞葵ちゃんにやられちゃったなぁ」 何だか、いつか瑞葵ちゃんに頭が上がらなくなりそうな気がする。でも、それはそれで楽しそうだなんて思ってしまう私も、どこか浮かれているのかも知れません。

コメント (6)

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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