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潮風と白いクーペ/スマホ壁紙アーカイブ
【潮風と白いクーペ】 海沿いの道に車を停めると、 彼女はエンジンを切ったまま夕陽の沈む音を待っていた。 白いクーペの助手席には、 昨夜読み終えた地図と、 行き先を書かなかったメモが置かれている。 灯台の明かりがまだ点かない時間、 潮風だけが髪をほどき、 遠くへ行けと背中を押してきた。 ここへ来るたび思い出す人がいる。 もう同じ道を走ることはないのに、 海はいつもその続きを持っているように見えた。 彼女は窓に映る自分へ小さく頷き、 水平線の光を胸にしまう。 やがて最初の灯が海へ落ちるころ、 白い車は何も言わず、 次の季節へ向かう準備を終えていた。
