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坂本駅前、午後六時/スマホ壁紙アーカイブ
【坂本駅前、午後六時】 六時を告げる放送が流れると、 濡れた停留所にバスの灯りが近づいてきた。 母親と少女は乗車口へ進み、 新聞を畳んだ老人もゆっくり腰を上げた。 けれど彼女だけは、 閉じた傘を握ったまま動かなかった。 十年前の同じ時刻、 この場所で帰りを待つと約束した人がいた。 路面に揺れる窓明かりの中へ、 見覚えのある横顔が一瞬だけ浮かぶ。 彼女が顔を上げたとき、 バスは水しぶきを残して走り去っていた。 空になった六番乗り場で、 猫だけが誰かの足音を待つように雨の向こうを見つめていた。
