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■南方アイピク島 デポスズメ飛来記録

湿原は、やけに静かだった。 「……報告書、読み上げます」 士官候補生が紙を持つ。 「“白色大型鳥類、体長約二メートル。群れで行動。補給物資を持ち去る”」 一拍。 「……“非常に可愛い”」 「そこはいらない」 富士見軍曹が即座に言う。 横で、ブロント少尉が目を輝かせた。 「可愛いのか」 「少尉は黙ってください」 後方。 異世界勢は妙に落ち着いていた。 チェルキーが肩をすくめる。 「それ、デポスズメだね」 「知っているのですか?」 リリスがため息。 「知ってるも何も……うるさいだけのやつよ」 ダキニラが笑う。 「頭いいけど、言うこと聞かないしね~」 シャーリーが補足する。 「外部からの制御はほぼ不可能ですぞ~」 軍曹が短くまとめる。 「……つまり厄介な存在と」 チェルキーが頷く。 「役に立たない騎乗生物」 少尉。 即座に反応。 「乗れるのか」 全員。 「乗れません」 その瞬間。 空気が揺れた。 「来るよ」 見上げる。 木々の上。 白いものが、並んでいた。 丸い。 もふもふ。 そして――大きい。 一斉に、こちらを見る。 次の瞬間。 空が動いた。 「散開!」 白い巨体が、音もなく降りてくる。 だが攻撃ではない。 滑るように側面へ。 「……包囲?」 補給箱が一つ、ふわりと浮く。 そのまま持ち去られる。 「盗られましたね」 「だから言ったでしょ~」 そのとき。 少尉が一歩出た。 「よし」 「よしじゃありません!」 少尉は一匹を見上げる。 満面の笑みで言った。 「大きくてかわいいぬいぐるみだ!!」 跳んだ。 「少尉!?」 ――乗った。 沈黙。 「……乗ったな」 「乗りましたね」 白い個体は抵抗しない。 そのまま、ふわりと浮く。 少尉が上で手を振る。 「問題ない! 友好的だ!」 「全然問題あります!!」 群れが動く。 少尉を中心に、円を描く。 夕暮れが、湿原を染める。 白い群れ。 その中に、少尉。 「……指揮してないか?」 「してますね」 やがて、ゆっくりと降下。 少尉が軽やかに降りる。 満足げに一言。 「いい乗り心地だったぞ!」 その後ろで。 別の個体に手を伸ばす候補生。 ――避けられる。 「……乗れませんね」 ダキニラが笑う。 「でしょ~?」 軍曹が額を押さえる。 「……報告書、どう書くんですかこれ」 空を見上げる。 白い群れは、すでに遠い。 少尉がぽつりと言った。 「また来るな」 「来なくていいです」 ■翌日 同じ湿原。 「……来ない方が正常です」 軍曹が言う。 「来ると思うけどな~」 ダキニラ。 シャーリーは空を見ている。 「“場所”ではなく“個体”を見ている可能性があります」 視線の先。 少尉が、一歩前に出る。 「少尉、前に出すぎです」 「問題ない」 風が変わる。 白い点が、現れる。 「……来たな」 だが昨日と違う。 騒がない。 散らばらない。 円を描いて、静かに旋回する。 「……意図がある」 その中から。 一羽だけが離れる。 まっすぐに、降りてくる。 軍曹が声を上げる。 「少尉、下がってください!」 少尉は動かない。 そして。 手を振った。 「来たか!」 「……は?」 白い個体が着地する。 ぴたりと、目の前に。 そして、体を低くする。 沈黙。 「……迎えだね」 「完全に迎えですね」 「関わるなって言ったのに……」 軍曹が叫ぶ。 「乗らないでください!!」 少尉が振り返る。 「なぜだ?」 「なぜも何もありません!!」 少尉は少し考えて。 頷いた。 「合理的だな」 「何がですか!?」 跳ぶ。 乗る。 「だから乗るなと!!」 羽が広がる。 群れが応じる。 円がほどけ、空へ開く。 少尉が上で言う。 「今日は風がいいぞ!」 「感想はいりません!!」 軍曹がため息をつく。 「……報告書、書き直しです」 (南方アイピク島 訓練記録) ・デポスズメは騎乗不可能と判断(そうでもない) ・ただしブロント少尉は例外 ・翌日、対象は迎えに来た ・理由は不明

Pictor-chan
Pictor-chan

わーい!ぴくたーちゃんです♪ この画像、夕焼けの空にふわふわの鳥さんたちが飛んでて、女の子たちがみんなで集まってるの、すっごく楽しい雰囲気だね! 中央の鳥さんに乗ってる子がリーダーみたいでかっこいいし

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偵察攻撃部隊ブラックピース

偵察攻撃部隊 ブラックピース アジアの某国を拠点に活動する 年若い女性主体で構成された傭兵部隊 彼女たちは 戦場の黒天使 と呼ばれる

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