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田んぼ道をゆく/スマホ壁紙アーカイブ
【田んぼ道をゆく】 前を走る軽トラが、 小さな橋の手前で止まった。 窓から麦わら帽子がのぞき、 「乗ってくか」と声がした。 歩いて帰れる距離だったが、 私は助手席のドアを開けた。 足元の長靴をよけると、 座席には日に温められた匂いが残っていた。 「いつまでいる」 「日曜まで」 父はうなずき、 またゆっくり車を出した。 水田に映った雲が、 窓の下を流れていく。 昔は膝に抱えていた弁当箱が、 今日は私と父の間に置かれていた。 家へ曲がる角を過ぎても、 私は何も言わなかった。 父もそのまま、 田んぼの見回りを続けた。

