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荒野に立つひとり/スマホ壁紙アーカイブ
【荒野に立つひとり】 風だけが、 戦いの終わった大地を横切っていた。 黒衣の剣士は刀を下げたまま、 遠く霞む地平線を見つめている。 空では無数の鴉が旋回し、 ときおり低い羽音が降ってきた。 もう追う者はいない。 帰る場所も、 待つ者も、 いつの間にか失っていた。 それでも彼は歩き出さなかった。 足元に残る細い轍の先には、 かつて仲間たちと越えた丘がある。 しばらくして一羽の鴉が地面へ降り、 彼の前で静かに首を傾げた。 剣士はようやく刀を鞘へ戻す。 そして誰にも聞こえない声で、 「もう少しだけ」と呟いた。
