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雨色の交差点/スマホ壁紙アーカイブ
【雨色の交差点】 雨の日になると、彼は決まってこの交差点へ来る。 誰かを待っているわけではない。 けれど、誰かとの約束だけは、 まだ胸のどこかで雨宿りを続けていた。 街を行き交う人々は、 それぞれの傘の下に今日を抱えて歩いていく。 仕事へ向かう人。 誰かに会いに行く人。 誰かと別れてきた人。 その中で彼だけは、空を見上げていた。 降り注ぐ雨粒は、空から落ちているのではなく、 思い出が少しずつほどけていく音のようだった。 「あの日も、こんな青い雨だった」 小さくつぶやくと、風が傘を揺らした。 その瞬間、水たまりに映る景色がゆっくりと揺れ、 過去と今が一度だけ重なる。 もう戻れないことは知っている。 それでも、人は立ち止まることでしか見えない景色がある。 信号が青に変わる。 彼は静かに微笑み、一歩を踏み出した。 雨色の交差点は、別れの場所ではなく、 新しい物語が始まる場所だった。
