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誰もいない洗面所/スマホ壁紙アーカイブ
【誰もいない洗面所】 放課後のチャイムが鳴ってから、 どれくらい時間が経ったのだろう。 蛇口から落ちる水滴の音だけが、 古びたタイルに小さく響いていた。 少女は鏡を見ているようで、 実際には何も見ていなかった。 帰ればいい。 靴を履き替えて、電車に乗って、 夕飯の匂いのする家へ帰ればいい。 それなのに、今日はなぜか動けなかった。 窓から差し込む夕陽が、 青いタイルをゆっくり金色に染めていく。 その色だけが、今日という日を 「ちゃんと終わらせなさい」と急かしていた。 少女は小さく息を吐く。 そして、鏡越しの知らない自分に向かって、 誰にも聞こえない声で言った。 「……明日は、ちゃんと笑えるかな」
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