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誤認白衣、静寂の診断
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南方訓練島・藍引島。 簡易救護テントの中は、湿った熱気と薬品の匂いが混じっていた。 負傷者は一名。 足首の軽度捻挫。訓練中の不注意によるもの。 「……こちらで処置します」 淡々とした声が響く。 そこにいたのは、白衣の女性だった。 黒髪ストレート。 低い位置でまとめたローポニーテール。 落ち着いた所作。無駄のない動き。 (――少尉だ) 富士見軍曹の思考は、一瞬で結論に達する。 白衣。黒髪。軍医のような振る舞い。 そして何より、その雰囲気。 👉 悪ふざけの前兆 「少尉!負傷者の前でそういう格好は――」 言いかけた瞬間、軍曹の足が止まる。 (……あれ) 違和感は、ごく小さかった。 だが確かにそこにあった。 視線の高さが、わずかに違う。 いつもなら見上げるはずの存在が、今はほぼ同じ位置にある。 一拍。 白衣の女性が、軍曹へ視線を向ける。 「軍曹さん?」 その声は、静かで柔らかく、そして揺らぎがない。 そこでようやく、思考が修正される。 (違う) (少尉ではない) 富士見軍曹は、わずかに姿勢を正す。 「……失礼しました」 短く言い、敬礼する。 白衣の女性は何事もなかったように処置を続けた。 包帯を巻く手つきは正確で、迷いがない。 「軽度の捻挫ね。数日安静にすれば問題ないわ」 その声には、軍医としての確かな判断だけがあった。 (……同じ顔なのに、まるで別物だ) 軍曹は内心でそう思う。 そこへ、テントの幕が乱暴に跳ね上がった。 「おっはよ〜!!お母様、来てたんだ!!」 突風のように現れる金髪ポニーテール。 ブロント少尉。 その瞬間、空気が一気に“いつもの部隊”へと戻る。 白衣の女性は、ほんのわずかに目を細める。 「アンジェラ。落ち着きなさい」 「はーい!」 即答。 富士見軍曹は、無言で空を仰いだ。 (……なるほど) (あっちが本体か)
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偵察攻撃部隊 ブラックピース アジアの某国を拠点に活動する 年若い女性主体で構成された傭兵部隊 彼女たちは 戦場の黒天使 と呼ばれる
