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シュティンガー准尉は任官しない
第一幕:地球・午前二時 地球の食堂。 薄暗い廊下を、寝ぼけた影がふらふら歩く。 ブロント少尉 は半目だった。 「……兵站確認であります……」 冷蔵庫を開ける。 プリン発見。 スプーン不要。直食い。 「補給完了……」 そのまま帰投(寝室)。 彼女は覚えていない。 ただ夢の中で、旗がぱたぱたしていた。 第二幕:王国・賢者の学院 夜半。 学院の結界が、ぴり、と震えた。 厨房。 パン半壊。チーズ齧られ。鍋に小旗。 プリン全滅。 「依代の暴走では……?」 誰かが呟く。 工房では、 チェルキー が棚を見上げていた。 「あれ……少尉人形が……」 ない。 第三幕:化け猫の独白 二本の尾が、月光を横切る。 ケティ は満腹だった。 口元にカスタード。 「やっぱり、少尉人形が一番力が強いにゃ」 彼女は知っている。 人形の中で、あれが一番“圧”がある。 魔力、情念、夢位相の細い糸。 「勝手に動いてもみんな納得するにゃ」 理屈は簡単。 犯行後。 工房から少尉人形を拉致。 厨房へ設置。 旗を鍋に刺す。 完璧な演出。 その後、女子寮へ帰還。 第四幕:観測 翌朝。 厨房騒然。 「位相共鳴だ」 「夢同期現象では?」 学者たちが難しい顔。 チェルキーは腕を組む。 「確かに、少尉人形は最も縫製密度が高い……」 理屈は整う。 だが。 女子寮。 ベッド。 眠るのは シルビア。 その頭の上。 丸くなるケティ。 口元、黄色のなにか。 尻尾、二本。
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