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猫の散歩道  chapter1

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2025年08月06日 15時01分
対象年齢:軽度な性的、流血描写あり
スタイル:イラスト
デイリー入賞 185

眼鏡をかけていない視界は、少し曖昧で柔らかい。 世界の輪郭がぼやけて、まるで夢の中にいるようだった。 高嶺静香は、夏の休日、猫耳フードをかぶり、真っ白なワンピースで静かな海沿いの場所を歩いていた。 普段の制服姿とはまるで別人。赤い眼鏡も、今日は家に置いてきた。 理由は簡単──「誰にも気づかれたくなかったから」。 「……ふふっ、これなら、たとえクラスメイトとすれ違っても、気づかれないでしょうね」 誰にも見られず、誰からも「委員長」と呼ばれず、ただ好きなものを好きなように愛する日。 その象徴が、今頭にかぶっている猫耳フードだった。 とある角を曲がったとき、静香はふと足を止めた。 前方に、白く小柄な猫がちょこんと座っていたのだ。 「まあ……あなたは、初めて見るわね」 声をかけたが、猫は一瞬こちらを見ただけで、すぐに路地裏の奥へすっと姿を消した。 静香は小さな好奇心に導かれるように、猫のあとを追った。 眼鏡をかけていないせいで、視界の曖昧さが、世界の輪郭を溶かしてくれるようで、「素の自分」に近づける気がした。 猫は、細い裏道を何度も曲がって進む。 途中、小さな公園のすべり台の影を通り抜けたり、古い井戸のある空き地をかすめたり。 まるで迷路のような道のりだったが、不思議と不安はなかった。 「……知らない道ばかり。こんなところが近所にあったなんて」 風にゆれる洗濯物、路地裏の軒先の植木鉢、どこか懐かしいような景色の中を、彼女はただ静かに歩いた。 時折、猫がこちらを振り返り、まるで案内人のような目をするのも、どこか滑稽で可愛らしかった。 やがて、猫がぴたりと立ち止まり、小さな門の前に座り込んだ。 静香もその後ろに立って、ふと表札に目を向けた瞬間──目を瞬いた。 《高嶺》 「……えっ?」 「ここ……私の家……?」 辺りを見回す。知らない道を歩いてきたはずなのに、気がつけば家の前に立っていたのだ。 「……こんな帰り道があったのね」 そうつぶやくと、隣にちょこんと座った猫に目を向ける。 猫は何も言わず、尻尾をふわりと揺らした。 猫がぴょんと塀を飛び越えて消えるのを見届けると、静香は小さく笑って、そっと門扉に手をかけた。 「──また、案内してくれるかしら」 風が少し涼しくなってきた。 夏の終わりの気配が、どこか愛おしく感じられた。

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