秘密のアトリエへの道/スマホ壁紙アーカイブ
【秘密のアトリエへの道】 誰にも教えていない道がある。 朝露の残る葉をかき分けて進むと、 森の奥に、ぽつんと佇む白い小屋。 そこは、かつて彼女が使っていたアトリエだった。 絵の具の匂い、乾きかけのキャンバス、 机に残されたスケッチブック。 すべてがそのままで、時間だけがそっと流れていた。 「この場所には、完成しなかった絵があるの」 彼女がそう言っていた日から、もう何年も経つ。 その日、彼は久しぶりにアトリエの扉を開けた。 静かな光の中で、絵の具の蓋を回しながら、 未完成だった風景を、少しずつ描きはじめた。 ──────── ★Xに別カットあります