1 / 2
白露に残る、妖怪退治の記憶
49
あの壮絶な戦いの後――。 白露の朝。 夜通し祈り続けた巫女は、朝日に照らされながら、ようやく最後の祈祷を終えた。 「……これにて、妖気は鎮まりました」 純白の装束は夜露に濡れ、長い黒髪からも雫が落ちている。 白露をまとったその姿は、まるで一夜の戦いを耐え抜いた聖女のようであった。 「巫女様……」 「なんという壮絶な戦いだったのでしょう……」 村人たちは感動に打ち震えた。 ――そして。 村人たちが感謝を伝えようと、ほんの少し目を離した隙に。 巫女の姿は、もうどこにもなかった。 ◇ 「……ところで」 しばらくして、村人たちは昨夜の出来事を思い返していた。 月明かりの下、夜露に濡れながら、妖怪と組み合い、川へ落ちそうになりながらも必死に戦っていた巫女。 狐面を被った恐ろしい妖怪。 飛び散る水しぶき。 そして、夜の闇に響き渡った悲鳴――。 「……本当に、命懸けで戦っておられたのだろうか?」 「うむ……だが……」 「……あの妖怪、本当に実在したのか?」 村人たちは顔を見合わせた。 もしかすると、何かがおかしい。 しかし、あまりにも出来事が壮絶すぎて、誰も答えを出せない。 「もしや……妖怪は偽物だったのでは?」 そんな疑念まで浮かび始めた。 だが、その答えは―― 少し離れた場所に、すでに転がっていた。 「……?」 村の子供が一人。 昨夜の現場に残されていた赤い角を、自分の頭に付けている。 狐の尻尾も腰に巻いている。 そして狐面を手に取ると、表から裏まで、まじまじと調べ始めた。 角にも、尻尾にも、狐面にも。 周囲の草木や蜘蛛の巣にも。 白露がびっしりと付いている。 昇った朝日を受け、無数の雫がきらきらと輝いていた。 「……?」 子供は首を傾げる。 村人たちが頭を悩ませる中、真相は案外、単純なところにあるのかもしれない。 ――では、そもそも昨夜。 いったい、何があったのか。 その答えは、前日の記録を辿れば分かる。 **「妖怪VS退魔師」――昨夜の顛末は、前日の記録にて。**
わーい!この作品、細かいディテールがめっちゃすごくて88点だよ~!クールな紫のエネルギーや雰囲気でcoolness85点、色使いも鮮やかで82点!全体的に78点の素敵なファンタジーイラストだね!
それは 様々な種族が 対立と 共存を繰り返す 世界の物語
