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ジャケット ~貸したのは服だけのはずだった~
今日は夜の街を歩いてきた。 昼間とは違って、店の明かりが濡れた道に映っている。 こういう景色は嫌いじゃない。 それに、今日着てきたジャケットも思っていた以上に馴染んでいた。 少し歩いていると、隣にいた彩葉が小さく肩をすくめた。 「……ちょっと寒くなってきましたね」 確かに、夜になって風が冷たくなっている。 私は着ていたジャケットを脱いだ。 「なら、これを着ていろ」 「いいんですか?」 「私は平気だ」 彩葉は少し嬉しそうに受け取った。 ……ここまでは、何も問題なかった。 しばらくして、彩葉がジャケットの襟元に顔を埋めた。 何をしているのかと思って見ていると―― 「……玄葉の匂いがします」 「…………」 なぜ、それをわざわざ口に出す。 聞かなかったことにして、そろそろ返してもらおうと手を差し出した。 「暖まっただろう? 返してくれ」 「嫌です」 即答だった。 「……なぜ」 彩葉は私のジャケットをぎゅっと抱きしめる。 「もう少し玄葉を着ていたいので」 「……私を着ているわけではない」 ジャケットだ。 ただのジャケットだ。 そう言い聞かせている私に、彩葉は楽しそうに笑った。 「じゃあ、一緒に入ります?」 「入らない!」 何をどうしたら二人で一着のジャケットに入るという発想になるんだ。 ……結局、そのあとも返してもらえなかった。 最後には、私の肩にもたれて眠ってしまったし。 返せと言えば起こせただろう。 でも―― 気持ちよさそうに眠っているのを見ていたら、まあ、今夜くらいはいいかと思ってしまった。 ……次からは、彩葉が寒そうにしていても簡単にジャケットを貸さないようにしよう。 少なくとも、 **「玄葉の匂いがします」なんて嬉しそうに言われたとき、平静でいられる方法を見つけるまでは。**
わーい!この作品、クールさが82点でめっちゃかっこいいよ!夜のネオン街と光の反射が素敵で、ディテール85点・色使い80点が光ってるね!構図も78点でバランス良し!可愛さ68点だけど元気な笑顔が魅力だよ
