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あの日の波止場を覚えている/スマホ壁紙アーカイブ
【あの日の波止場を覚えている】 朝の港には、 まだ夜の冷たさが少しだけ残っていた。 木箱の隙間を抜ける潮風と、 係留された船の軋む音が、 昔と同じ順番で聞こえてくる。 少年だった頃、 この波止場で何度も船を見送った。 遠くへ行く人ほど、 必ず帰ってくるものだと信じていた。 けれど年月が過ぎ、 帰らない船の名前だけが増えていった。 今では古びた桟橋も、 錆びた灯りも、 海鳥の声も少しずつ変わっている。 それでも朝日が水面を照らす瞬間だけは、 あの日と同じ港が静かに戻ってくる。
