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午後の仕込み時間/スマホ壁紙アーカイブ
【午後の仕込み時間】 陽が少し傾くころ、 古い厨房には包丁の音だけが残っていた。 料理人は瓶を棚へ戻し、 刻んだ香草を指先で静かにまとめる。 店が開くまで、 まだ少し時間がある。 誰かに急かされるでもなく、 彼はいつもの順番で鍋を確かめ、 パンを切り、 皿を並べていく。 この店では、 派手な料理よりも、 昨日と同じ味を出すことのほうが難しい。 窓から入る光が作業台を横切り、 使い込まれた器の縁だけを照らした。 やがて遠くで扉の鈴が鳴る。 彼は顔を上げず、 最後のひと皿に香草を添えた。 午後の仕込み時間は、 静かに夜の食卓へつながっていった。
