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シンクの底の小宇宙/スマホ壁紙アーカイブ
【シンクの底の小宇宙】 朝の光が窓から差し込むころ、 台所のシンクにはもうひとつの街が目を覚ましていた。 青い水の底では、 小さな研究塔に灯りがともり、 透明な通路を豆粒ほどの人影が行き交っている。 誰がつくったのかは分からない。 けれど古いノートには、 「水を抜かないこと」とだけ書かれていた。 彼女は蛇口に手を伸ばしかけ、 静かに止めた。 昨夜まではなかったはずの中央ドームに、 小さな明かりで一文字だけ浮かんでいたからだ。 それは、 彼女の名前だった。
