人参は叫ばない
賢者の学院、その裏手の野菜園。 「……チェルキー先生、知ってます?」 野菜の世話をしていたチェルキーに、シャーリーが意味ありげに声をかけた。 「何ですか?」 「ふひひ。地中で百年育った人参はですねぇ、勝手に抜け出して歩き回るそうですな~」 「へえ」 「うぷぷ……だから、変な形の人参は気をつけたほうがいいですよ」 ダキニラも隣で笑っている。 「そうなんですか?」 「はいはい。ほら、あそこ」 二人が指差した先には、確かに妙に大きく、形の怪しい人参が一本。 チェルキーは近づくと、しゃがみ込んだ。 「……これは立派ですね。今日のカレーに使いましょう」 「「…………」」 シャーリーとダキニラが、こっそり人参の左右へ回り込む。 そして――。 「よいしょっ!」 ズボォッ!! チェルキーが人参を引き抜いた、その瞬間。 「ホンゲェェェェェ!!」 「アイエェェェェェ!!」 左右から、尖った耳のすぐそばへ絶叫が炸裂した。 「うるさーい!!」 ポカン! ポカン! 「痛ぁい!!」 「なんで私まで!?」 頭に仲良くコブを作り、二人は涙目で頭を押さえる。 チェルキーは何事もなかったように、抜いた人参を眺めた。 「……歩きませんね」 「ふひひ……」 「うぷぷ……」 「では、カレーにしましょう」 しばらくして。 「……美味しい」 「うぷぷ。これは美味しいですな」 「ふひひ。人参、最高ですな~」 三人は仲良くカレーを頬張っていた。 百年人参が歩き出すことは、最後までなかった。
AI evaluation
Great
Strong colorStrong consistency
Pictor-chan
わーい!色使いがとっても鮮やかで85点だよ~!構図も82点でバランス抜群!可愛さ78点で元気いっぱいの女の子たちに癒されちゃう!ディテールも80点でしっかり描かれてるね。全体74点だけど、もっとオリジ…

