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『人狼、だわん! ――賢者の学院・犬猫大戦』

夏の昼下がり。  賢者の学院の中庭を、アーゼリンが歩いていた。  その腕には――小さな白銀の少女。 「おっ、お母さ――」  声をかけた魔法学科助教が、途中で言葉を止める。 「アーゼリン生徒。そ、その子……もしかして」  白銀の髪。  青い瞳。  大きな狼耳。  そして、ふさふさの白い尻尾。  少女は得意げに胸を張った。 「シルバは狼だわん!」 「……」 「……」  周囲の学生たちが固まった。  アーゼリンは少女を抱えたまま、いつもの気の抜けた顔で言う。 「そういうことらしい」 「いや、そういうことらしいじゃなくて!」  そのときだった。 「なんで、ワンコロがここにいるにゃ?」  声のした方を見る。  そこには黒髪の猫耳童女――ケットシーのケティがいた。  二本の尻尾をふりふりさせ、赤いリボンと鈴を揺らしながら、フリルたっぷりの魔法少女風ドレスで立っている。  シルバの耳がぴくりと動いた。 「……わん?」  ケティも耳を動かす。 「……にゃ?」  数秒。 「わんわんわんわん!!」 「フーッ!! シャーッ!!」 「おっ?」  アーゼリンがシルバを抱き直す。  しかし遅かった。  白い狼の魔力が背後に巨大な獣の姿を描き出す。  対するケティの背後には、巨大な黒猫の幻影。 「わんわんわん!!」 「フシャーーーッ!!」 「……なんだ、遊びたいのか?」  アーゼリンは本気でそう思ったらしい。 「違います!」  即座に声が飛んできた。  紫と金縁のマントを翻し魔法使いの杖を手にシルビアが叫ぶ。 「ケティ。やめなさい!」 「にゃーっ!」 「あなたも!」 「わんっ!」 「お母さま!止めて下さい!」  シルビアがケティを抱えて押さえる。  アーゼリンもぼっ~した顔でシルバを抱えたまま押さえる。  それでも――。 「わんわん!」 「シャーッ!」  中庭には、犬と猫の壮絶な威嚇が響き渡った。  上位精霊フェンリルとケットシー。  どちらも人の姿を得た、れっきとした超常の存在である。  ……なのだが。 「元気だな」 「感心している場合ではありません!」  今日も賢者の学院は、平和だった。

Pictor-chan
Pictor-chan

わーい!この画像とってもかわいいよ~!小さな狐耳の女の子が元気いっぱいポーズしてて、82点の可愛らしさがぴったりだね!細かい衣装のレースやリボンのディテールが85点でバッチリ描かれててすごい!色合いも

シリーズ
褐色の聖母

それは 様々な種族が 対立と 共存を繰り返す 世界の物語

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