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旅立ちのコンコース/スマホ壁紙アーカイブ
【旅立ちのコンコース】 午前十時二十五分、 出発案内板の数字がひとつ静かに切り替わった。 スーツケースを引く音、 遠くで響く搭乗案内、 ガラス越しに動く飛行機。 誰もが別々の目的地へ向かいながら、 同じ光の中を歩いていた。 ひとりの青年は立ち止まり、 ポケットの中の古い搭乗券を指先で確かめる。 それは今日の便ではない。 何年も前、 この場所で見送った人と交わした約束の名残だった。 やがて彼は顔を上げ、 人波の向こうへ歩き出す。 あの日は見送る側だった。
