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蒼穹のフロンティア【白き来訪者と束の間の安らぎ】
第七機動艦隊テンペストの私室に、束の間の静寂が訪れていた。 激戦の日々の合間に与えられた貴重な休息――アリシアは静かに息をつき、安らぎの時間を過ごしていた。 その時だった。 「にゃあ。」 以前、艦内に紛れ込み、ユナとアリシアに懐いた白い子猫が、彼女の胸元へと潜り込む。思わぬ行動にアリシアは頬を赤らめ、小さく声を漏らした。 「ちょ、ちょっと……!」 次の瞬間、子猫は勢いよく飛び出した。 ふわりと宙を舞い、ベッドの上へと着地する。 「待ちなさい!」 逃げ回る子猫を追いかけ、アリシアは部屋の中を駆け回る。ベッドから床へ、机の下から椅子の背へ――戦場では無敵のエースも、小さな白い旋風には翻弄されるばかりだった。 やがて、ようやく捕まえようと手を伸ばしたその瞬間―― ぴょん、と子猫は軽やかに跳び上がり、アリシアの頭の上へと収まった。 「……もう。」 肩で息をしながら、彼女は苦笑する。 戦場では決して見せない、穏やかで人間らしい表情。 額に汗をにじませ、アリシアはゆっくりと腰を下ろした。 「さすがに……疲れたわ。」 その顔には、安堵と共に浮かぶ柔らかな疲労の色。 しかし、頭の上に伝わる小さな温もりが、彼女の心を静かに癒していた。 窓の向こうで瞬く星々が、二人と一匹の穏やかなひとときを優しく見守っていた。
シリーズ
蒼穹のフロンティア
「隠された真実が、人類を二つに裂く………。真実を暴くのは、裏切りか――それとも希望か。」
