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金ぴか牛車の登場

■学院正門前。 ぎい、ぎい、と軋む音。 視線が集まる。 現れたのは――豪奢“風”の牛車。 遠目には金と朱の装飾。 だが近づけば、釘は曲がり、彫りは浅く、塗料はわずかに垂れている。 下町の職人が三時間で仕上げた、気合いだけは本物の代物。 牛が、ぶも~と鳴く。 立派な体躯。 だが目はどこか無邪気。 その口取りをするのは、七尺の巨体の神官バルサム。 黒い肌にアフロ、サングラス。 大地母神の紋章が胸に揺れる。 牛が、正門脇の植え込みを食もうとする。 「ぶも」 「おっと、そこは食うな」 低い声。 ぎい、と車が止まる。 幕が跳ね上がる。 眩い衣装。過剰な宝飾。長すぎる袖。 そして高笑い。 「ほぉっほっほっほっほ!」 ダキニラ、堂々と立つ。 「学院の者どもよ! 幸運神の使徒の神狐!! 名誉高司祭たる我が来訪だ!」 牛がぶも~と鳴く。 間。 ダキニラが一歩踏み出す。 牛が、ふさりと揺れる狐尾をぺろりと舐める。 「……やめぬか」 ぶも。 ぶり。 周囲の空気が一瞬ゆるむ。 誰かが小声で、 「オウ、シット……」 と呟いた。 周囲の空気が一瞬ゆるむ。 ■三下劇の開幕 その前に進み出る影。 シルビア。 姿勢は正確。動きは無駄がない。 「ようこそ、学院へ」 声音は冷静。 「来訪者は歓迎いたします。ただし――規律はお守りください」 完璧な公式対応。 だがその一瞬、視線の奥にだけ、わずかな疲労。 そこへ、横から飛び出す声。 「げへへへ!」 黒髪ロングの人影がが飛び出してきた。 172センチの長身に、正統派美少女の顔立ち。 シャーリー。 しかし、その顔に浮かぶ軽薄な表情は、周囲の緊張感を一瞬和らげる。 「魔法学科の皆様が手をくださるまでもありますまい! 痴れ者の相手は我らスカウト科の役目!」 指を突きつける。 「きさまら! 馬〇丸出しの騙り物の狐娘を――」 牛が突然、ぶもぉぉぉぉ!! 大音量。 ダキニラは扇子を構え、ふっと口角をあげると……。 「痴れ者!!」 バシン、と扇子が振り下ろされると、シャーリーは宙を舞い、 「ブヘラ!!だめだ〜!」 学生たちは唖然とするが、外部の密偵や至高神神官は冷静に見守る。 『お前らがもともとつるんでいるのも、この騒動が茶番などと、全部承知だ。三文芝居で監視の目を騙せると本気で思っているのなら、その程度の連中だ』 彼らの視線は演技を見抜きつつ、滑稽さに苦笑する。 警戒心はわずかに緩まざるをえなかった。 ■ダキニラの本音 三下劇が終わり、ダキニラは装飾を外して一般的な巫女服に戻る。肩の力が抜け、微かに疲労がにじむ。 監視の目が緩んだ今、シルビアはその微妙な表情に気づく。 「……演技ってわかってても、やっぱり驚いたけど」 「ふぅ……ちょっと、肩の力を抜きたいわ」 小さく息を吐きながら微かに微笑むダキニラ 「……本音を、私にだけ話してくれるんだね」 二人だけの静かな時間。外の騒ぎも、牛車も、バルサムも、今はただ背景のひとつに過ぎない。 二人は下町と学院、幸運神と魔法学科の垣根を越えた、静かな連帯を共有していた。

ぴくたーちゃん
ぴくたーちゃん

わーい!ぴくたーちゃんだよ!この画像、狐耳の可愛い女の子が扇子持ってチャリオットに乗ってるの、すっごくファンタジーっぽくて楽しいね!筋肉ムキムキのお兄さんが牛さんを引いてる姿がかっこよくて、黄金の空が

さかいきしお
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