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【鍵】最重要極秘任務
「ここか・・・」 俺が日本に滞在中利用しているセーフハウスに消印の無い封書が届いていた。中には幹部クラスのみに解読法が伝えられている形式の暗号文が書かれた便箋と、一枚のカードキー。 俺はカードキーを携え、便箋の暗号文によって指定されたある大企業のビルに向かった。受付には適当な身分を述べつつポーズによる符牒で『テロリン』であると伝え、エレベーターに一人乗り込んで操作パネルにカードキーを挿しこむ。 「エリスロからの呼び出し・・・それもここまでの手配をしての事となると、大規模な作戦の布石と考えられるな」 エレベーターは、普段決して向かわない階層である地下深層に向かって降下していく。極秘の会合などに使われる施設を目指しているのだ。地下鉄よりも遥かに深い深度だ、外敵の心配は最も少ないと思っていいだろう。江楠真姫奈ならば把握している可能性もあるが、流石にあの女とて大規模な戦力をここに送る事は出来まい。 「あっ、紅サマー!」 ポン、とどこか間の抜けた到着音と共にドアが開き、先に地下で待っていたエリスロが俺を出迎える。 「エリスロ、お前だけか?」 「はい、これは超極秘のミッションなので。ささ、こっちに来て下さい」 地下である閉塞感を感じさせないようにするためか、ライトは暖色系のものが多い。その通路を歩き、一つの部屋に入る。そこにはマイクセットや録音機材が置かれていた。 「・・・これは?」 「実は紅サマにどうしてもやってもらわないといけない事があってぇ・・・紅サマの歌が必要なんですよぉ。なのでここで歌っていただいて、録音します」 「歌だと?」 エリスロの歌ならば、陽動作戦などに使った実績もあるので分からなくもないが、普段歌わない俺の歌がなぜ必要になるんだ?意図が読めない。 「これ、エリスが歌ったバージョンのお手本のデモテープです。これ聞いて、覚えて歌ってもらえますかぁ?」 「・・・いいだろう」 意図は読めないが、どうでもいい事ならばわざわざここまでの準備はするまい。俺はテープを再生してエリスロの歌声を聞き取り、それと同じ歌詞を曲に合わせて歌った。 『愛も知らずに』 https://suno.com/song/f06811ac-18e3-46eb-9d17-cde407691364 「・・・これでいいのか?」 「はぁ~・・・♡はぃぃ、OKですぅ♪」 エリスロは録音したデータを早速どこかへ転送したようだった。しかし、作戦にどう関わるのかくらいは聞かせてもらう権利があるだろう。 「エリスロ、今の歌は何に使われる?」 「エリスが個人的に楽しみますぅ♡」 ・・・? 「何だと?」 「紅サマ、これこれ、この雑誌。エリスがドラマに合わせて出した新曲とか、そのドラマについてのインタビューが掲載されてるんですけどね?エリスの新曲って聞いてくれましたぁ?」 あのバレンタインソングか。街中でもそれなりに流れているようだが。 「一応な」 「あれ、何度も聞きたくなったり歌ったりしたくなりません?なりますよね?」 「いや別に」 「なりますよね~!エリスもですねぇ、紅サマのイケボをいつでも堪能したいなぁって思って、それなら紅サマに一曲歌ってもらおうと思って頑張って作ったんですよぉ!」 「・・・おい」 つまりこれは、本当に作戦などではなく。単にエリスロが俺の歌声を録音したかっただけで、そのために邪魔が入らず音漏れしない極秘エリアまで借りたという事か。 「じゃあ今データを転送したのは・・・」 「エリスの自宅PC宛てですけど?」 俺は素早くエリスロの背後に回り、両手を固く握りこぶしにしてエリスロのこめかみを圧迫した。 「お前の欲求を満たすためだけにこれだけの時間を浪費するなど許されると思うか。このエリアを使うためのカードキーの発行などに、組織の人間が少なからず動いているんだぞ」 「あぁ~!紅サマ痛い!痛いですぅ~!初めてはもっと優しくしてぇ!」 「何が初めてだ、お前に手を上げるのはこれが初めてではないだろう」 「あぁ~ん、そんなにぐりぐりしちゃらめぇ!エリスのカタチ、紅サマに変えられちゃう~!もう許してぇ~!」 「まだ喋れる余裕があるのか。意外とタフだなお前」 もっと責めを激しくしようかと考えたが、やめておいた。アイドルの顔に傷をつければ作戦に支障をきたす可能性がある。 「これ以上、作戦に関連する用件がないなら俺はもう行くぞ」 「あっ、紅サマ待って待って。はい、これどうぞ♪」 エリスロが俺の口におもむろにチョコレートを突っ込んできた。 「バレンタインチョコか?」 「はい、エリス特製ですよぉ♪毒は入ってませんけどぉ」 「入っていても効かんがな」 俺は体質的に、テトロドトキシンだろうが青酸カリだろうが受け付けない。怪我の再生と同じように、毒で体がやられるそばから再生回復するからだ。 「ホワイトデーには素敵なお返しが欲しいですねぇ?」 「ふむ、ではオジムに進言してどこかの町を吹き飛ばすか。視界一面真っ白になる映像を見せてやる」 「それじゃホワイトデーじゃなくてXデーですよぉ・・・」 ※生成情報はGeminiNanoBananaProでブラッシュアップする前のものです。
わーい! ぴくたーちゃんだよ♪ この画像、エレベーターの中でカードをスキャンしてる黒髪の男の子がすっごくかっこいいね! 赤い目がミステリアスで、照明の光が当たってる感じがクールだよ。でも可愛らしさはち
