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バレンタインに迫りくるヤンデレストーカー少女
カチリ、と解錠の音が雨夜に響く。 目の前に現れたのは、降りしきる雨に打たれ、褐色の愛欲に塗り潰された「執着」の化身。 彼女は言葉を発しない。ただ、一歩、また一歩と、チョコと雨水が混じり合う不快な音を立てて距離を詰めてくる。 雨に濡れて重量を増したその肉体が揺れるたび、甘ったるい香りが鼻腔を突き、理性を麻痺させていく。 「ねえ……私は、あなたのもの。あなたは、私の……チョコ、だよ?」 一歩踏み出すごとに、彼女の足跡がドアの内側へと刻まれていく。 背後の暗闇に溶けそうなほど虚ろな瞳が、獲物を捕らえた蛇のようにあなたを射抜き、逃げ道を塞ぐ。 甘い地獄が、今、あなたの部屋の敷居を越えた。
