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第四話 『蒼き狼堕つ』
. 電撃戦で地球の6割を制圧したPixAI軍だったが、伸び続ける戦線と補給路断線、兵の疲弊と士気低下に悩まされていた。 対して、AIピクターズ軍は新型の機体と若い女性パイロットをプロパガンダとして使用する事にした。 赤を基調としたパイロットスーツの女性パイロットは…女性というより、まだ少女といえる年齢であった。 「子供を戦場に送るのかっ!?」 という声が上がったが、 「子供でも戦わねばならぬほどの戦況なのだ!しかし、配備したのは最新鋭機である。戦場の中では一番安全であろう?」 という上層部の発言に…誰も反対意見を出せなかった。 補給の為に砂漠の町に来たAIピクターズ軍プロパガンダ部隊:第15独立部隊であったが、同じく補給に立ち寄ったPixAI軍 『雷の蒼狼』(いかづちのそうろう)の部隊と鉢合わせになる。 一触即発な状態になる両軍であったが、後から来た部隊の隊長、バラン・ルラ大尉が状況を収めた。 ルラ「銃を降ろせ…まだ子供ではないか…ミルクでも飲むがいい。奢ろう。」 ルラ大尉の心意気で交戦を逃れたAIピクターズ軍。 町の規模では補給が心もとない状況で、士気の低下が見て取れた。 対して、PixAI軍の雷の蒼狼部隊は少ない補充であっても、大尉の人格のなせることか…士気は高い状態であった。 雷の蒼狼部隊は北極圏での任務の後、間髪入れず砂漠地帯への強行の為、換装が間に合っていなかった。 兵の疲弊も尋常では無く、鍛えられた肉体と精神が無ければ脱落者が出ていたであろう… AIピクターズ軍の大型基地に向かっていた第15独立部隊。 雷の蒼狼部隊も目指す先は同じであった… タクラマカン砂漠で交戦状態になった両部隊。 各部隊のエースパイロット同士の死闘が繰り広げられる。 二人のエースの相打ちで、両機体の脚部と胴体を破壊した。 ルラ「…あの時の嬢ちゃんだったとはな…驕るなよ?貴様に負けたのでは無い!ピクターズ軍の機体の性能に負けたのだっ!」 爆発四散した機体を前に、ピクターズエースは何を思うのか… 《次回》 『黒い三銃士』 おたのしみに… ↓前話:第三話URL https://www.aipictors.com/posts/608284