遥かなるハルカ/スマホ壁紙アーカイブ
【遥かなるハルカ】 あの夏、空はいつもより高く見えた。 それはきっと、僕が彼女を見ていたからだ。 放課後のチャイムが鳴るたびに、 僕らは学校裏の丘へと続く、誰も通らない小道を歩いた。 足元には野の花が咲き、夕焼けの匂いがした。 ハルカは、いつも前を歩いていた。 小さな背中。風に揺れる紺のワンピース。 言葉は少なかったけれど、 その沈黙は、僕にとって音楽のようだった。 「ねえ、空の向こうには、何があると思う?」 丘のてっぺんで、ハルカはそう言った。 視線はずっと、遠く、遠くへ向いていた。 僕は答えられなかった。 だけど、その問いかけは、僕の胸にずっと残った。 あのとき僕はまだ知らなかった。 その夕焼けに染まる丘が、未来と今をつなぐ扉だったことも。 そして──その扉の先で、また彼女に出会う運命も。 ──────── ★Xに別カットあります