その瞳に心奪われて/スマホ壁紙アーカイブ
【その瞳に心奪われて】 仮面舞踏会のざわめきは、遠い潮騒のようにぼやけた。 赤いドレスの彼女が、黄金の仮面の奥からこちらを見た瞬間、 僕の心は、はじけた星屑のように空へと散った。 その瞳は静かな湖面に落ちた一滴の雨。 深く、冷たく、甘く、僕を底なしの夢へと誘う。 胸の鼓動は小鳥の羽ばたきのように震え、 声は霧に溶けるように消えていった。 仮面の奥の彼女は、まるで夜明け前の月。 触れれば消えそうで、それでも目を離せない。 僕の魂は細い銀糸で彼女に縫い留められ、 今もなお、仮面舞踏会のあの瞬間に囚われたままだ。