待ち合わせchapter 3　小櫻　うらら（おざくら　うらら）

冬の夜、繫華街は鮮やかなネオンと人々の賑わいで溢れ、冷たい空気に漂う焼き芋の香りが心を温める。コミックマーケットの熱気が残る中、拙者は今日という日を締めくくる一大イベント、うらら殿とのオフ会を待ちわびていた。 「コスプレサークルの姫」うらら殿。ピンク髪のツインテールに白いファー付きのコート、黒いパンストが映えるその姿はまさに天使そのもの。コミケのコスプレ会場での偶然の出会いから、食事に誘う機会を得た拙者、この瞬間を夢のように感じておったでござる。 街路樹のイルミネーションが輝く中、指定の待ち合わせ場所で震えながら待つ。「まだでござるか……」と、緊張と期待で胸が高鳴る。すると遠くに、ピンクのツインテールがふわりと揺れる姿が見えた瞬間、心臓が止まるかと思ったでござる。 「天使が舞い降りたでござる……！」 息を呑む間に、うらら殿は笑顔で近づいてくる。 「待たせちゃったかな？ごめんねー！」 「い、いやいや！全然ござらぬ！」 「ふふっ、面白い人だね！」 そして、自然と腕を絡められた瞬間、拙者の魂は天に昇った気分でござる。「ファミレス楽しみ！」という彼女の言葉に、エスコートの任を全力で果たす覚悟が決まった。 道中、彼女の弾む声に耳を傾けながら、コミケの話やアニメの話題で盛り上がる。その仕草の可愛らしさに胸のドキドキが止まらない。ファミレスに到着すると「ここ、良い感じ！」と笑顔で喜ぶ彼女。その笑顔に、拙者の努力は報われた。 この夜が永遠に続けばと願いながら、うらら殿とのひとときを大切に心に刻んだのでござる。