1 / 3
色彩に溺れる夜『霧島◯耶』
誰もいない深夜のアトリエ。 床には描きかけのキャンバスが並び、パレットには鮮やかな色彩が残されていた。 霧島◯耶は、いつもの余裕を失っていた。 肌に散った絵の具。乱れた赤い髪。熱を帯びた吐息。 触れられるたび、彼女の身体に新しい色が重なっていく。 「……ねえ、もっと……今夜の私を、めちゃくちゃな色に染めて……」 小さく笑った声も、やがて言葉にならない吐息へと変わる。 白いキャンバスに色をぶつけるように、抑えていた想いも理性も、今夜だけはすべて解き放たれていった。 そして夜が明ける頃―― アトリエに残されていたのは、描きかけの絵と、床に散った絵の具。 誰にも見せられない、二人だけの“作品”が生まれた夜だった。
