双界戦記クロスレギア『序章―15年前のあの日―』
Rin
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今から15年前――。 まだ幼かったシュウ・サヤマが暮らしていた街を、突然、未曾有の災害が襲った。 激しい雷雨が空を覆い、大地を揺るがす轟音とともに、街の至るところで建物が崩壊していく。 「シュウ! こっちへ!」 両親は必死に子供たちを守りながら、崩壊していく街から逃げようとしていた。 しかし――。 二人の前に巨大な瓦礫が落下する。 両親は咄嗟にシュウを突き飛ばし、自らがその身を盾にして幼い息子を守った。 「走れ……シュウ……!」 直後、崩れ落ちた建物が両親を呑み込む。 「お父さん! お母さん!」 幼いシュウの叫びは、激しい雷鳴と轟音の中へ消えていった。 ――両親は、その場で命を落とした。 残されたのは、シュウと姉だけだった。 姉は泣きじゃくる弟の手を強く握る。 「大丈夫……お姉ちゃんがいるから」 そう言って、姉はシュウを連れて必死に逃げ続けた。 だが、その直後――。 空が大きく歪んだ。 雷雲の中心に、まるで別の世界へ通じる巨大な穴のような謎の空間が出現する。 猛烈な風が吹き荒れ、周囲の瓦礫や建物の残骸が次々と空へ巻き上げられていく。 「シュウ! 手を離さないで!」 姉は必死に弟の手を握る。 しかし――。 謎の空間から放たれた強烈な力によって、姉の身体が宙へ引きずり上げられていく。 「お姉ちゃん!!」 シュウは必死に姉の手を掴む。 姉もまた、弟へ手を伸ばす。 あと少し――。 しかし、二人の手は届かない。 「シュウ――!!」 その声を最後に、姉の姿は謎の空間の中へと消えていった。 そして――空間もまた、何事もなかったかのように閉じる。 シュウは瓦礫の中に取り残され、やがて救助隊によって発見された。 その日――。 シュウは父と母を失った。 そして同時に―― たった一人残された姉までも失った。 それから15年。 あの日、自分を救ってくれた救助隊員たちの姿を胸に刻み、シュウはWRAの災害救助隊員となった。 「今度は、自分が誰かを救う」 それが、シュウが救助隊員として生きる理由だった。 ーー深夜。 WRAの宿舎で眠っていたシュウは、突然、悪夢から目を覚ます。 「……っ!」 荒い呼吸。 額を伝う汗。 暗い部屋の中で、シュウはしばらく呆然と天井を見つめていた。 目を閉じれば、今でも鮮明に蘇る。 崩れ落ちる街。 瓦礫の下へ消えていく両親。 そして――。 謎の空間へと引きずり込まれていく姉。 「……お姉ちゃん……」 シュウは片手で顔を覆い、深く息を吐く。 そして、小さく呟いた。 「……また、あの夢か……」 15年前のあの日から、シュウの胸に刻まれた記憶は、決して消えることはなかった。 ★『Character File #01 シュウ・サヤマ』は コチラから↓ https://www.aipictors.com/posts/792863

