秘密会議を監視する者を監視する会議
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「本日の議題は、悪魔神官団の最近の動向について――」 木曜戦団の秘密会議は、極めて真面目に進行していた。 少なくとも、会議室の中では。 その天井裏では、二人の女が梁に張り付いていた。 「ふひひ……潜入成功ですねぇ」 「しっ。静かにですよ、シャーリー」 黒髪のシャーリーと、狐耳をぴくぴく動かしたダキニラ。 二人は下で行われる秘密会議を、天井板の隙間から真剣に覗き込んでいた。 ――そのさらに離れた場所。 「長距離拡大望遠、透視術式。対象を固定」 銀髪のハーフエルフ、シルビアは巨大な蜘蛛型魔導戦機タランチュラの上で、真剣な顔をして杖を操作した。 空中に巨大な魔法ホログラムが展開される。 そこには、天井裏の二人が超高精細に映し出されていた。 「まったく……秘密会議を盗み聞きですか。妹と学院の同僚が、そろって何をやっているのです」 シルビアは冷静に記録を開始した。 そのこめかみには、うっすらと、 #^ω^ と浮かんでいる。 「さて。二人が何を聞き出すつもりなのか、しっかり観察――」 その時だった。 ホログラムの中のシャーリーが、こちらを向いた。 そして。 にやり。 「……あ」 シャーリーは片目を閉じ、口元に指を当てた。 もう片方の手は、しっかりピースサイン。 「シルビア先生ぇ。見てますぅ?」 隣のダキニラも気付いた。 「あ、お姉ちゃんだ」 こちらも満面の笑顔で、 「いえーい♪」 ピース。 巨大ホログラムの中で、秘密裏に内偵中だったはずの二人が、完全に記念撮影モードになった。 シルビアの顔から、すっと表情が消える。 こめかみが、 #^ω^ から、 #^ω^💢 へ進化した。 「…………」 「お姉ちゃん?」 「…………観測を続行します」 シルビアは静かに杖を握り直した。 その頃、下の会議室では。 「……最近、何か視線を感じないか?」 「秘密会議なのだから気のせいだろう」 誰も、天井裏の二人にも。 その二人を監視しているシルビアにも。 そして、その様子を巨大なホログラムで映し出しているタランチュラにも気付いていなかった。 こうして木曜戦団の秘密会議は、極めて秘密裏に進行していた。 ――たぶん。
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それは 様々な種族が 対立と 共存を繰り返す 世界の物語
