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BLUE FANG ー蒼月の狼ー『鎖のない世界へ』
鎖のない世界へ 己を縛り続けていた鎖は、もうない。 その爪で断ち切った瞬間から、 リゼルの前には誰にも決められていない道が広がっていた。 命じる者はいない。 行く先を示す者もいない。 それは彼女がずっと望んでいたはずの「自由」。 けれど――自由とは、 ただ鎖がなくなることではなかった。 どこへ行くのか。 何のために戦うのか。 そして、これから何者として生きていくのか。 そのすべてを、自分自身で選ばなければならない。 蒼い月の下、リゼルは静かに顔を上げる。 過去は消えない。 刻まれた傷も、失ったものも、そのままだ。 それでも彼女は振り返らなかった。 「……行こう。今度は、あたしが選んだ道を」 黒い外套を翻し、 蒼月の狼は歩き始める。 誰かに与えられた道ではない。 まだ名前すらない―― 自分だけの、新たなる道を。
