『怪しいホテルの一泊』
山道を進んでいた一行は、鬱蒼とした林の向こうに、場違いな建物を発見した。 煌々と明かりを灯す、立派なホテルだった。 しかし、そこへ続く道は草ぼうぼうの林道。周囲に民家はなく、人里からもかなり離れている。 「……こんなところにホテルが?」 ブロント少尉が足を止める。 「怪しいですね」 富士見二等軍曹も即答した。 「でも、泊まれるなら助かるね!」 狐耳をぴんと立て、ダキニラは明るく笑う。 「地下墳墓で野営するよりは、ずっと快適そうですよ~」 チェルキーも平然としている。 「比較対象がおかしいでしょう……」 少尉はため息をついた。 そして一行は、ホテルへ入った。 ……ただし、その時にはもう一人、姿を消していた。 「いらっしゃいませぇ~。お泊まりですか~?」 フロントには、妙に胡散臭い受付係。 「はい。五人で」 「うひひひひ……お客様方は四人ですぞ~」 「……あれ?」 少尉が振り返る。 「シャーリーさん、どこ行った? トイレかな」 「たぶんそうでしょうね」 富士見軍曹が遠い目をした。 「では、ごゆるりと……うひひひひ」 その夜。 ホテルの客室。 「……本当にここ、大丈夫なんでしょうか」 「大丈夫ですよ~。何か出てきたら、その時考えましょう」 「そうそう。地下墳墓よりは明るいし!」 「それは安心材料なんでしょうか……」 やがて消灯。 静かな夜が訪れた。 ――そして。 「うひひひひひひ……」 「もけけけけけけけ……」 「うっつきゃあ~~~~!!」 ドゲシ!! 「しょっ、少尉殿! 拙尼ですぞ!」 床に転がったシャーリーが抗議する。 「夜中に耳元で奇声を発するのはやめてください!」 「いや~、ちょっと驚かせようと思いましてな~」 「シャーリー、顔がすごく楽しそうだったよ!」 ダキニラがけらけら笑う。 「ダキニラさんも共犯でしょう!」 「だって面白そうだったんからね!」 「……少尉。それ、シャーリーさんです」 富士見軍曹だけが冷静だった。 翌朝。 「ご飯できましたよ~」 チェルキーが朝食を並べていた。 パンに卵料理、肉、野菜、スープ。 妙に豪勢である。 「朝から豪勢ですな~」 シャーリーも何事もなかったように席についている。 「……そういえば、シャーリーさん」 少尉がふと思い出した。 「昨日ここに来た時、いませんでしたよね。ずいぶん長いトイレでしたね」 「ふひひひ。色々とひりだすのに、てこずりましてな~」 「…………」 富士見軍曹の目が冷たくなる。 「……下品」 「何をひりだしたの?」 ダキニラが無邪気に尋ねる。 「ダキニラさん、そこは聞かなくていいです」 チェルキーが苦笑する。 「食事中ですからね~」 その時、少尉の脳裏に、昨夜のことがよぎった。 なんか、あのとき、妙な物音がしていた気も……。 ――その頃、ホテルの奥では。 シャーリーは一人、何かと戦っていた。 ――そして。 「ふひひひ……お掃除完了ですぞ~」 ◇ 朝食を終え、一行はホテルを出た。 「……あれ?」 少尉が振り返る。 そこにホテルはなかった。 あるのは、草ぼうぼうの林道と、朝霧の漂う森だけ。 「……結局、何だったんでしょうね」 「また泊まりたいね!」 ダキニラが楽しそうに笑う。 「朝ご飯もおいしかったですしね~」 チェルキーも満足そうだ。 「いや、そこですか?」 富士見軍曹は呆れたように息を吐く。 シャーリーは、いつもの胡散臭い笑みを浮かべた。 「ふひひひひ……また営業しているかもしれませんぞ~」 「もう絶対泊まりませんからね!?」 山の静寂に、少尉の声が響いた。
AI evaluation
Great
Strong consistencyStrong detail
Pictor-chan
わーい!この画像、細部までしっかり描かれててディテールすごいね!夜の雰囲気と構図がバッチリでカッコよさも感じるよ!女の子たちの姿も一致感あって素敵♪ 全体的にまとまってる感じがするぴ!

