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【桜子さんとコン子ママ】 昔馴染み
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コン子と斎藤さんが森の奥にある小さな墓を訪れた日の夜。 二人が供え物を置き、静かに手を合わせて帰ったあとも、月明かりに照らされた墓地には淡い狐火が残っていた。青白い光が墓石の周囲を巡り、やがて白い着物の裾と、長い銀髪が夜の空気からゆっくり形を結んでいく。 現れたのは、コン子の亡き母、ギン子だった。 生前と変わらぬ優雅な姿で、白い狐耳と大きな尻尾を揺らしながら、彼女は久しぶりの夜の森を楽しそうに見回した。幽霊になっても大人しく眠っているつもりは、どうやら少しもないらしい。 しかし、その自由時間は長く続かなかった。 「ギン子さん、何をしているんですか?」 背後から響いた声に振り返ると、巫女装束の桜子が立っていた。 ギン子は悪びれる様子もなく、昔と同じ笑顔で手を振った。 「あら、サクラちゃん。お久しぶり」 「お久しぶりではありません。まさか、ずっとこちらに残っているんじゃないですよね?」 桜子が問い詰めても、ギン子は目をそらし、「まあ、色々あって」と曖昧に笑うばかりだった。 やがてギン子は話題をそらすように、昼間の村道で見かけたコン子と斎藤さんのことを話し始めた。 少し離れて歩きながら、楽しそうに斎藤さんを見上げるコン子。その横で、歩幅を合わせて穏やかに見守る斎藤さん。 木陰から二人を眺めるギン子の目が、いたずらっぽく輝いた。 「ねえ、あの若いお巡りさん。うちの子のこと、ずいぶん大事にしてくれているみたいじゃない?」 「地域の子どもを見守るのは、警察官として当然です」 「でも、ちょっとくらい私が背中を押してあげても」 「絶対に余計なことをしないでください」 桜子は即座に釘を刺した。 その言葉を聞いたギン子は、懐かしそうに笑った。 昔から、二人はこうだった。 若い頃のギン子は、悪霊や妖怪変化を見つければ自分から飛び込んでいく暴れ者だった。本人は人助けのつもりでも、周囲を巻き込み騒ぎを何倍にも大きくしてしまう。 幼い桜子は、そんなギン子の後ろを必死に追いかけていた。 「懐かしいね。二人で妖怪退治をしたこと」 「あなたが勝手に喧嘩を売って、私を巻き込んだんです」 「そうだったかしら?」 「そうです!」 桜子は怒ったが、その声にはどこか懐かしさも混じっていた。 誰より騒がしく、誰より自由だったギン子は、コン子が生まれると驚くほど穏やかな母親になった。 幼いコン子を膝に抱き、髪を梳き、眠るまで優しく背中を撫でていた。コン子が笑えば一緒に笑い、泣けば誰より早く抱き上げた。 桜子もまた、神社を訪れるたびにその親子を見守っていた。 しかし、その時間は長くは続かなかった。 ギン子は病に倒れ、幼いコン子を残してこの世を去った。 桜子は長い間、そのことを許せずにいた。 「いつも自分勝手なんです。散々騒ぎを起こしたと思ったら、急に優しいお母さんになって……それなのに、コン子ちゃんを残していなくなって」 怒っているはずの桜子の声は、次第に震えていった。 「コン子ちゃんも、私も、どれだけ大変だったと思っているんですか」 しばらく黙っていたギン子は、いつもの笑顔を消した。 そして静かに、桜子へ頭を下げた。 「ごめんね、サクラちゃん」 月明かりの中、その声だけは母親だった頃と同じように穏やかだった。 「それから、ありがとう。コン子のことをずっと見守ってくれていたんでしょう?」 桜子は顔をそむけた。 「私は別に……ギン子さんみたいにならないよう、見張っていただけです」 「それでも、ありがとう」 ギン子は優しく微笑んだ。 コン子はもう、幼い子どもではない。村には彼女を気遣う人々がいて、危険なときには真っ先に駆けつける斎藤さんもいる。 それを確かめられただけで、ギン子は少し安心していた。 だが、しんみりした空気を長く保てないのも、彼女らしいところだった。 「これでサクラちゃんも安心して、あの眼鏡の先生と仲良くできるわね」 「えっ?」 桜子の顔が一瞬で赤くなった。 「田中先生とは、そんなんじゃありません!」 「そう? ずいぶん息が合っているように見えるけれど」 「ギン子さん!」 桜子が捕まえようと手を伸ばしたときには、ギン子の身体はすでに狐火へほどけ始めていた。 「あ、逃げないでください!」 ギン子は振り返り、少女の頃と変わらない笑顔を見せる。 「またね、サクラちゃん」 白い尾と長い銀髪が夜風に舞い、青い狐火の向こうへ消えていく。 桜子はその背中を追いながら叫んだ。 「いつまでもうろうろしていないで、早く帰ってください!」 静かな墓地に、二人の声が久しぶりに響いた。 怒って、笑って、泣いて、また追いかける。 生者と幽霊になっても、二人の関係は昔と少しも変わっていなかった。 以前に作ったもののリメイクになります。 文章は私が書いたものを元にチャッピーに書き直してもらいました。 ちょっとボリュームが増えてしまった😅 納涼会ってなんだっけ🤣
わーい!月夜のキツネちゃん、青い光がキラキラしてめっちゃきれいだよ! ディテールが細かくて髪の毛や着物の質感がすごいね♪ クールで幻想的な雰囲気もバッチリ! でももうちょっと変わったアイデアがあるともっとオリジナルになるかも~!
