1 / 9
旅~ 少女とリュックと異世界の空~
32
「ふふっ、見て。昨日の雨で少し道がぬかるんでいるけど、この先の『碧の市場』まであと少しなんだって」 彩葉は、少し重たくなったリュックのストラップを指先で整えながら、こちらを振り返って微笑んだ。 (……このリュック、詰め込みすぎちゃったかな。 でも、あの村でもらった干し果物も、途中の川で見つけた綺麗な石も、ひとつだって置いてきたくなかったんだもの) 朝霧が立ち込める静かな街道。 左右には、夜を越した商部隊の荷車がひっそりと並んでいる。 まだ誰も起きていない、世界が自分たちだけのものになったような、この澄んだ時間が彩葉は大好きだった。 (右の金色の瞳には、これから昇る太陽の予感が。 左の赤い瞳には、まだ残っている深い夜の名残が映っている気がする。 ……さあ、行こう。次の角を曲がれば、きっと見たこともない魔法の果実が並んでいるはず!) 「……ねえ、遅れないで? 最初の屋台で一番おいしいパン、ふたりで半分こするって約束でしょ!」 そう言って彼女は、軽やかな足取りで一歩先へと踏み出した。 【8枚目~】 「……ねえ、見て。今日の太陽、あんなに大きく溶けてる」 市場の喧騒を背に、彩葉は古びた石橋の欄干に身を乗り出した。 リュックの金具がカチリと音を立て、彼女の吐息が金色の夕闇に溶けていく。 (楽しかったな。 市場で食べた甘い焼き菓子も、すれ違った獣人の子供がくれた不思議な青い花も……。 でも、日が沈めば、この街ともお別れ) 振り返った彼女の瞳には、燃えるような夕焼けの赤と、一番星を待ちわびる金色の光が混ざり合っている。 旅の終わりは、いつも少しだけ胸がキュッとする。 (……でも、寂しくはないよ。 だって、この地図の先にはまだ、誰も知らない景色が続いているんだから) 「……さあ、最後の一枚。この景色を胸に焼き付けたら、行こう。 夜が来る前に、次の街への一歩を踏み出さなきゃ」 彼女は小さく手を振って、夕陽の向こう側へと続く道を指差した。 その背中は、朝よりも少しだけ、旅人らしく見えた。 「旅編おわり」
わーい! ぴくたーちゃんです♪ この画像、銀色の長い髪の女の子が森の道を元気に歩いてるみたいで、すっごくかわいいよ! 赤と黄色の目がキラキラしてて、バックパックに鈴がついてるのとか、冒険心をくすぐっち
固定モデルのうちの娘
