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蒼穹のフロンティア【星を泳ぐ夢、そっと見守る現実】
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ユナは、笑っていた。 果てしない宇宙の中―― 赤い鯉のぼりにまたがり、星の海を泳いでいる。 「みて、あれ!」 小さな指が、きらめく星を指す。 流れる光、遠ざかる惑星、どこまでも続く空。 重力も、戦いもない。 ただ楽しいだけの世界。 ――夢の中で。 その頃。 テンペストのプライベートルーム。 静かな寝息が、白いベッドの上で規則正しく続いている。 ユナは、やわらかな笑顔のまま眠っていた。 ドアが静かに開く。 任務を終えたアリシアが、音を立てないように部屋へ入る。 一歩、また一歩。 その足取りは、戦場とはまるで違っていた。 ベッドのそばで足を止め、 彼女はそっとユナの寝顔を見下ろす。 「……いい夢、見てるのね」 小さく、優しい声。 ほんの少しだけ力の抜けた表情で、アリシアは微笑んだ。 ユナの世界には、まだ戦いはない。 だからこそ、その夢はどこまでも自由で、まっすぐだ。 アリシアは手を伸ばし、乱れた毛布をそっと整える。 ユナの指が、かすかに動く。 夢の中で―― まだ星を追いかけているのだろう。 「……守るよ」 誰にも聞こえないほど小さな声で、彼女は呟いた。 壊れないように。 消えないように。 この小さな夢を―― 自分が守るのだと、静かに胸に刻みながら。
