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蒼穹のフロンティア【紅の香りは、戦火を統べる】
煌びやかな王宮の奥深く――その私室は、戦場とは対極にある静寂と気品に満ちていた。 ヴォイド軍上級士官、ジルフィーザ・ヴァルクライネは、ゆっくりと香水の瓶を手に取る。 それは単なる嗜好品ではない。 彼女にとって“香り”とは、己の支配を示す象徴であり、戦場に赴く前の儀式でもあった。 妖しく輝く紅の液体を指先で弄びながら、彼女は薄く微笑む。 その瞳には、数多の戦場を制圧してきた者だけが持つ、冷静で絶対的な自信が宿っている。 「――次の戦場も、同じ香りで染めてあげるわ」 甘くも鋭い香りは、やがて血と硝煙に混ざり、敵味方すら惑わせる。 その一滴が放たれる時、戦場は再び彼女の支配下へと堕ちるのだった。
